◆小頭症の原因は?
小頭症とは、同じ年齢・性別の平均に比べて頭が極端に小さいことを言います。子どもをほかの子どもを比べたとき頭がいくらか小さいように見えても、ほとんどは小頭症にはあたりません。
原因はさまざまで、頭蓋骨早期癒合症や染色体異常によって起こりうることが知られています。
ここで紹介する論文では、小頭症の原因のひとつである、セッケル症候群というまれな病気の患者が出生前診断で見つかったことを報告しています。
セッケル症候群は、出生前から身長が極端に低くなることに加え、「鳥の頭のような」と言われる特徴的な頭の形で知られています。「鳥の頭のような」というのは、小頭症、鼻が尖っている、額が頭の後ろに傾いている、顎が小さいなどの特徴があるということです。
遺伝子の異常が原因で起こると考えられ、また精神遅滞をともないやすいと言われています。
◆妊娠中の成長の遅れで発見
論文で報告されている子どもは、妊娠初期までは異常が見られませんでした。両親にも異常はありませんでした。
妊娠中期に成長の遅れ(子宮内胎児発育遅延)が疑われ、詳しい検査の結果、小頭症のほか脳の形や頭の形に異常が見つかり、セッケル症候群の疑いと見られました。
異常が見つかったあとも成長は遅く、体重886gで出生となり、出生後12時間以内に死亡しました。
参照元の英語論文には、この子どもが産まれたときの写真が載っています(症状が現れている画像ですのでご注意ください)。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4228017/
セッケル症候群の中でも、この子どものように生後まもなく死亡することは少ないと言われています。また、セッケル症候群は非常にまれな病気です。ほかの病気で小頭症があっても、低身長など成長の異常が起こる場合はまれと言われています。
ジカウイルスが小頭症の原因になりうるかどうかはまだはっきりしていません。ほかにも多くの原因で小頭症は起こっています。小頭症についてほかの情報がメドレー病気事典にもありますので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
小頭症の症状・原因・治療
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※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。