2016.01.18 | ニュース

マンモグラフィーは本当に40歳から受けるべきか?

文献の調査から
from Annals of internal medicine
マンモグラフィーは本当に40歳から受けるべきか?の写真
(C) Andrey Popov - Fotolia.com

マンモグラフィーは乳がんを見つけ出す検査(スクリーニング)として広く行われていますが、乳がんによる死亡を防ぐ効果に限界があるとも言われています。これまでに報告された研究結果を統合し、年齢ごとの効果が推定されました。

◆マンモグラフィーで乳がんによる死亡は防げるか

研究班は、過去の文献データベースを検索し、乳がんの危険性が平均的と見られた女性を対象にマンモグラフィーの効果を調べた報告を集めました。

得られたデータを解析し、対象者の年齢ごとに、マンモグラフィーの検査を行うことで乳がんによる死亡が少なくなるかが推定されました。

 

◆50歳から69歳で効果あり

次の結果が得られました。

マンモグラフィーの試験のメタアナリシスによる、中等度の質のエビデンスから、乳がんによる死亡の相対リスクは39歳から49歳の女性では0.92(95%信頼区間0.75-1.02、9件の試験、10年間で10,000人の女性あたり3人の死亡を防ぐ)、50歳から59歳では0.86(信頼区間0.68-0.97、7件、10年間で10,000人の女性あたり8人の死亡を防ぐ)、60歳から69歳では0.67(信頼区間0.54-0.83、5件、10年間で10,000人の女性あたり21人の死亡を防ぐ)、70歳から74歳では0.80(信頼区間0.51-1.28、3件、10年間で10,000人の女性あたり13人の死亡を防ぐ)と示された。

39歳から49歳の女性、70歳から74歳の女性について、得られたデータからは、マンモグラフィーにより乳がんによる死亡を防げるとは推定できませんでした。50歳から69歳の女性については、データから乳がんによる死亡が防げると見られました。

研究班は「マンモグラフィーによるスクリーニング乳がんによる死亡は全体に減少するが、推定値はすべての年齢で統計的に有意ではなく、効果の量は小さい」と結論しています。

 

マンモグラフィーは乳がんがある場合を高い確率で発見できると考えられていますが、発見される乳がんの中には死因になりにくいものもあり、過剰な治療につながるという見方もあります。これらの議論をふまえて、症状がない40歳以上の女性が毎年マンモグラフィーを受けることが勧められるかどうかは、学会などによって意見が違います。

ここで示された結果も今後の議論の中で参照されるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Effectiveness of Breast Cancer Screening: Systematic Review and Meta-analysis to Update the 2009 U.S. Preventive Services Task Force Recommendation.

Ann Intern Med. 2016 Jan 12. [Epub ahead of print]

[PMID: 26756588]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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