◆2型糖尿病でホルモン異常がある男性を治療
この研究は、2型糖尿病の患者で、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症という、ホルモンバランスの異常により精巣機能の低下が見られた人44人を対象としました。
対象となった男性は、テストステロン(男性ホルモン)の注射を受けるグループと、偽薬として食塩水の注射を受けるグループにランダムに分けられ、2週間ごと24週間の注射を受けました。
それぞれのグループで、体型や糖尿病の検査値に対する影響が調べられました。
◆皮下脂肪が減少
次の結果が得られました。
低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の男性では、性腺機能が正常の男性よりも皮下脂肪量および内臓脂肪量が多かった。
テストステロン治療のあと、偽薬群に比べて皮下脂肪量の減少(-3.3kg)、除脂肪体重の増加(3.4kg)があった(P<0.01)。
対象者は、健康な男性よりも皮下脂肪と内臓脂肪が多い傾向がありましたが、その中で食塩水の注射を受けたグループと比べてテストステロンの注射を受けたグループでは、皮下脂肪が少なく、脂肪を除いた筋肉や骨などの重さが多くなりました。
男性ホルモンや女性ホルモンは体のさまざまな働きに関わっています。2型糖尿病との関係も、今後さらに解明が進むかもしれません。
執筆者
Insulin Resistance and Inflammation in Hypogonadotropic Hypogonadism and Their Reduction After Testosterone Replacement in Men With Type 2 Diabetes.
Diabetes Care. 2016 Jan.
[PMID: 26622051]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。