2016.01.03 | ニュース

パーキンソン病は個別のリハビリが最も効果あり

アメリカの研究班が58人のデータを分析
from Journal of neurologic physical therapy : JNPT
パーキンソン病は個別のリハビリが最も効果ありの写真
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パーキンソン病は、姿勢を保ちにくくなったり動作がぎこちなくなるような障害が起こります。今回の研究では、パーキンソン病のこのような運動機能障害に対する治療をどのような環境で行うと、より効果が得られるかを検証しました。

◆58人の人を対象に分析

今回の研究では、パーキンソン病患者58人を、在宅で行う「ホームエクササイズ群」、リハビリ施設で行う「個別リハビリ群」あるいは「集団リハビリ群」に分け効果を検証しました。

ホームエクササイズ群では、理学療法士により作成されたプログラムを自分で自宅で実施してもらいました。

個別リハビリ群では、1週間に3回通院し、理学療法士と1対1で約1時間の運動療法を実施してもらいました。

集団リハビリ群では、1週間に3回通院し、理学療法士が中心となり、グループ全体をリードしながら約1時間の運動療法を実施してもらいました。

 

◆個別リハビリテーションが最も効果的

調査の結果、以下のことが報告されました。

個別リハビリ群のみ、身体パフォーマンステストが有意に改善した。機能的スケールバランススケールでは個別リハビリ群が最も改善したが、歩行能力においては集団リハビリ群が最も改善した。

パーキンソン病の個別リハビリによって、身の回りの動作がより安定してできるようになりました。また、個別リハビリを通じてバランスを保つ能力の改善がほかのリハビリ方法よりも大きい一方で、集団リハビリを通じて歩行能力の改善効果が最も大きいという結果でした。

 

パーキンソン病に対するリハビリテーションは、症状や日常生活における動作の状況によって内容は異なります。今回の研究の結果を参考に、主治医やリハビリの専門家の意見を取り入れながら、安全で効果的な運動療法を検討できるかもしれません。

執筆者

Toru Kokubo

参考文献

Effects of Group, Individual, and Home Exercise in Persons With Parkinson Disease: A Randomized Clinical Trial.

J Neurol Phys Ther 2015 Oct

[PMID: 26308937]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。