家では話せるのに、学校では…「選択性緘黙」の子どもに認知行動療法を行った結果

選択性緘黙(かんもく)は、子どもに多く、言語能力には問題がないのに場面によって話せない状態です。3歳から9歳の患者を認知行動療法で治療したあと1年での結果が報告されました。
◆治療効果は1年後まで続いているか?
選択性緘黙の治療には主に環境づくりやカウンセリングが行われます。
以前の研究で、認知行動療法という心理療法を使って3歳から9歳の患者24人を治療し、14週間の治療後に良好な結果が得られていました。この報告は、前の研究の対象者を治療終了後1年まで追跡した結果です。治療効果が持続して見られるかが検討されました。
◆半分は診断に当てはまらなくなった
次の結果が得られました。
フォローアップ時点で、12人の子ども(50%)が選択性緘黙の診断基準を満たさなくなり、学校で自由に話すことができていた(女の子で16人中9人、男の子で8人中3人)。別の4人の子どもは学校である場面では自由に話したが、すべての状況ではなく、かつ/または一部の成人を相手に、ただしすべての成人に対してではなく、自由に話すことができた。
治療を受けた24人のうち12人は、1年後の時点で選択性緘黙の基準に当てはまらなくなっていました。ほかの4人は一部の状況では自由に話すことができる状態でした。
選択性緘黙の原因はわかっていません。検査で発見する方法はなく、周りの人が気付くことが診断のために重要になります。適切な治療とサポートによって、子どもがよりよい状態で成長できるようになるかもしれません。
執筆者
Selective mutism: follow-up study 1 year after end of treatment.
Eur Child Adolesc Psychiatry. 2015 Jul
[PMID: 25267381]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。