◆アントシアニンの認知機能に対する効果を検証
アントシアニンとは、ポリフェノールの一種であり、青や紫色の天然色素です。ブルーベリーに含まれる成分として広く知られていますが、チェリーにも豊富に含まれます。
研究グループは、アントシアニンの効果を検証するために、チェリージュースの摂取と認知機能の変化を調べました。研究の対象は、軽度から中等度の認知症をもつ70歳以上の高齢者49人としました。一日200mlのチェリージュースを飲むグループと、アントシアニンをあまり含まないジュースを飲むグループに分け、12週後の認知機能を調べました。
◆チェリージュースを飲むと認知機能が改善する!?
研究の結果、「チェリージュースグループにおいて、言語の流暢さ(p=0.014)、短期記憶(p=0.014)、長期記憶(p≤0.001)の改善を認めた。」と報告しています。
さらに、以下のように結論づけています。
豊富なアントシアニンを含む飲料は、軽度から中等度の認知症をもつ高齢者において、アントシアニンの総消費量を改善する実践的で実現可能な方法と考えられ、特定の認知アウトカムを改善する可能性がある。
研究グループは、アントシアニンを豊富に含む飲み物により、軽度から中等度の認知症高齢者の認知機能が改善する可能性を示しました。
アントシアニンは、視覚機能の改善やメタボリックシンドロームの予防など、様々な効果が知られています。今回の研究だけでは、認知機能への長期的な効果を断定することはできませんが、このような研究結果を参考にしてみても良いかも知れません。
執筆者
Consumption of anthocyanin-rich cherry juice for 12 weeks improves memory and cognition in older adults with mild-to-moderate dementia.
Eur J Nutr. 2015 Oct 19.
[PMID: 26482148]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。