◆淋菌の耐性を検査
淋菌に有効とされる抗菌薬のひとつにアジスロマイシンがあります。アジスロマイシン2g製剤は、日本では2009年に承認され、淋菌の治療に使うことができます。
しかし、研究班は、アジスロマイシン2g製剤が淋菌の治療の第一選択としては勧められず、欧米で参照されているガイドラインではアジスロマイシンとセフトリアキソンの併用が勧められていることを指摘しています。
研究班は、福岡で2010年から2013年の間に患者から見つかった淋菌677件を対象として、抗菌薬に耐性があるかを調べた結果をまとめました。
◆アジスロマイシン耐性菌が急増
次の結果が得られました。
アジスロマイシン耐性分離株(最小発育阻止濃度>0.5μg/ml)の割合は2010年の1.8%から2013年には22.6%まで有意に増加した(P<0.001)。
アジスロマイシンに耐性だった菌が、2010年には対象のうち1.8%でしたが、2013年には22.6%に増えていました。
耐性ができるのを防ぐために、抗菌薬は必要なときにだけ適切な種類のものを使い、十分な量と期間で治療することが勧められています。
耐性菌が広がり、治療が難しくなるのを防ぐために、抗菌薬の適切な使用が呼びかけられています。
執筆者
High Prevalence of Azithromycin-Resistant Neisseria gonorrhoeae Isolates With a Multidrug Resistance Phenotype in Fukuoka, Japan.
Sex Transm Dis. 2015 Jun
[PMID: 25970312]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。