くすりの処方軽減は行なわれているか
高齢者の高血圧や糖尿病などには長期間治療が行われますが、薬を減らしたりやめたりする調節は適切に行なわれているのでしょうか。アメリカで状況を研究したところ、検査値が正常範囲でくすりが減らされた患者は27%以下との報告がありました。
◆211,667名のデータを調査
研究班は、1型および2型糖尿病の高齢者へ血圧降下剤や
◆2/3が目標値を達成していてもくすりを続けていた
糖尿病の治療を受けていた人で、血糖を検査する際にみるHbA1c(血液内の
この調査では、対象のうち2/3の高血圧・糖尿病患者さんで、検査値が正常になっていても以前の治療が続けられていました。日本では調査結果がなく、世界的にもこのような調査はほとんどありません。糖尿病に限れば、アメリカから「治療強度低減が不十分」という他の報告が出ています。
適切なタイミングでくすりの処方を減らしたり、お休みすることも大事な治療です。よりよい医療の標準や評価の中に「治療を減らす」ということも組み込まれる必要があるのではないでしょうか。
執筆者
Rates of Deintensification of Blood Pressure and Glycemic Medication Treatment Based on Levels of Control and Life Expectancy in Older Patients With Diabetes Mellitus
JAMA Intern Med. 2015 Oct
[PMID: 26502220] http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26502220※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。