◆2型糖尿病患者の難治性高血圧症に関連する要因を検証
今回の研究は、2型糖尿病患者1,737人を対象に、難治性高血圧症と血液検査値などの健康指標との関連を検証しました。
難治性高血圧症は、5種類以上の降圧薬を使用している、または3種類の降圧薬を使っても血圧をコントロールできないこととしました。血圧は、病院で測定した血圧を用いました。
◆難治性高血圧症には中性脂肪値、尿中アルブミン値などが関連
以下の結果が得られました。
難治性高血圧症に独立して関連する要因は、年齢(オッズ比1.02[95%信頼区間1.01-1.04])、体格指数(オッズ比1.10[95%信頼区間1.06-1.13])、収縮期血圧(オッズ比1.06[95%信頼区間1.02-1.09])、中性脂肪値(オッズ比2.86[95%信頼区間1.34-6.11])、尿中アルブミン値(オッズ比3.33[95%信頼区間2.03-5.48])、予測糸球体ろ過率(オッズ比0.98[95%信頼区間0.97-0.99])、糖尿病性網膜症(オッズ比1.91[95%信頼区間1.39-2.61])、高血圧の家族歴(オッズ比1.85[95%信頼区間1.23-2.21])であった。
2型糖尿病患者で、難治性高血圧症である人は、中性脂肪値、尿中アルブミン値などが正常ではない人に多いという結果でした。
今回の研究では因果関係には言及できませんが、中性脂肪値などの血液検査値の改善により、治療への抵抗性が下がる可能性もあります。高血圧、糖尿病はいずれも様々な病気の危険性をあげるものですので、運動や食事療法による予防や重症化を防ぐために早めの対処が必要です。
執筆者
Prevalence of resistant hypertension and associated factors in Japanese subjects with type 2 diabetes.
Diabetes Res Clin Pract. 2015 Oct
[PMID: 26361860]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。