テレビはなぜ子どもの頭にけがをさせたのか?
あなたの家ではどこにテレビを置いていますか?置き場所によっては、落下して子どもにけがをさせる危険性があります。研究グループは、こういった傷害を予防するガイドラインを作成するために、テレビが落下する事故に関する文献レビューを行いました。
◆文献レビューにより検証
研究グループは、子どものけがを予防するための戦略をたてるために、落下したテレビによって怪我をした0-18歳の子供に対する文献を調べました。
◆タンスの上にテレビを置くと危ない
過去の文献を調べた結果、以下のことが明らかになりました。
テレビを固定するようにデザインされていないタンスや他の家具は、しばしばテレビ転落の事故に関連していた。致死率は大きく幅があるが、報告された死亡の殆ど全てが脳損傷を原因としていた。1-3歳の子供は、最も頻繁に頭や首への損傷を受け、深刻な損傷となる可能性が最も高かった。
これは、固定されていないタンスの上のテレビが転落することで、幼児の頭部損傷につながる事故が多かったことを示しています。
本研究はカナダの統計を参照していますが、日本においてあてはまらないとは言い切れません。一度傷付いてしまった脳細胞は回復しないと言われています。家庭内の不慮の事故を減らすためにも、家具を置く位置を工夫してみても良いかもしれません。
執筆者
Toppled television sets and head injuries in the pediatric population: a framework for prevention.
J Neurosurg Pediatr. 2015 Sep 29 [Epub ahead of print]
[PMID: 26416669]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。