◆心筋梗塞、脳卒中などと耳のシワの関連性を検証
今回の研究は、第一段階として、耳のシワ(earlobe crease、フランク徴候とも言う)の特徴を分類しました。分類は、耳のシワの向き、長さ、深さ、両側性を調べました。
その後、それらの特徴と心筋梗塞や脳卒中といった心血管系疾患の発症との関連性を検証しました。
◆耳のシワは心筋梗塞や脳卒中と関連する
以下の結果が得られました。
多変量解析により、耳のシワと心血管系イベントの関連性が示され(オッズ比1.45、95%信頼区間1.08-1.93、p=0.012)、感度は43%、特異度は70%であった。
虚血性脳卒中の単変量でも、両耳の斜めシワと関連していた(オッズ比1.67、95%信頼区間1.1-2.51、p=0.015)。
耳のシワの特徴によって、心筋梗塞や脳卒中といった心血管系疾患の発症頻度に違いが見られました。
これまで、耳のシワは毛細血管の徴候が現れるという仮説のもと、その関連性が調べられているようです。今回の研究は、ひとつの時点だけを調べて得られたデータであるため、その因果関係を述べることはできません。しかし、検査を行う前に耳を観察することで、もし病気の危険性が少しでもわかるようになれば有用かもしれません。
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