2015.10.04 | ニュース

梅毒の初期症状、硬性下疳の特徴とは?

オーストラリアの男性183人の横断研究

from Sexually transmitted infections

梅毒の初期症状、硬性下疳の特徴とは?の写真

梅毒は梅毒トレポネーマという細菌の感染により起こり、多様な症状があります。性器などに塊ができ、潰瘍を起こす「硬性下疳(こうせいげかん)」という症状の特徴について、オーストラリアの患者を対象とした研究が行われました。

◆痛みがある場合や多発する場合はどれぐらいあるのか

硬性下疳は梅毒の感染から数か月以内に起こる症状として知られています。典型的には痛みがなく、1か所にだけできると言われますが、この研究では、痛みがある場合、多発する場合の頻度を調べました。

オーストラリアのメルボルンにある施設で、男性の患者が対象となりました。

 

◆痛みは半数、多発は4割

次の結果が得られました。

梅毒トレポネーマがPCR陽性で原発性の肛門性器病変がある男性183人が対象となった。

原発病変はしばしば痛みがあり(49.2%)、または多発性であり(37.7%)、単純ヘルペスウイルスと関連することは少なかった(2.7%)。

対象となった183人の男性について、肛門または性器にできた病変に痛みがあった場合は49.2%、多発していた場合は37.7%でした

 

梅毒は抗菌薬の登場以前と比べると激減しましたが、日本でも新たな感染は起こり続けています。特徴的な症状についてのこうした情報が診断の助けになるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Painful and multiple anogenital lesions are common in men with Treponema pallidum PCR-positive primary syphilis without herpes simplex virus coinfection: a cross-sectional clinic-based study.

Sex Transm Infect. 2015 Sep 16 [Epub ahead of print]

[PMID: 26378262]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る