2015.09.12 | ニュース

禁酒効果があった心理療法:認知行動療法と動機付け強化療法の組み合わせ治療のみ

システマティックレビューにより検証

from Clinical gastroenterology and hepatology : the official clinical practice journal of the American Gastroenterological Association

禁酒効果があった心理療法:認知行動療法と動機付け強化療法の組み合わせ治療のみ の写真

過度の飲酒により、肝臓ほか全身の健康を害することは周知の事実です。今回の研究は、継続的な禁酒に効果的な心理療法を検証し、その結果、認知行動療法と動機付け強化療法を組み合わせることだけが有効と見られたことを報告しました。

◆13件の論文をまとめ、禁酒に効果的な心理療法を検証

今回の研究は、過去に禁酒に対する心理療法の効果を確認した13件の研究を選択し、どのような心理療法が有効であるか検証しました。

選択した研究の中では、動機付け強化療法、認知行動療法、動機付け面接などの単独の治療と、それらの組み合わせについて検討されていました。

動機付け強化療法とは、飲酒習慣を評価し、そのフィードバックおよび治療を行う方法で、動機づけ面接法を応用した方法です。

 

◆禁酒効果のある心理療法は、認知行動療法と動機付け強化療法の組み合わせのみ

以下の結果が得られました。

認知行動療法と動機付け強化療法を包括的な医療ケアと組み合わせた統合治療を2年間にわたって行うことだけが、 禁酒の有意な増加を示した(介入群で74% vs 対照群で48%、p=.02)と1つのランダム化比較試験が報告した。

禁酒に有効な心理療法は、認知行動療法と動機付け強化療法を組み合わせた治療のみという結果でした。

 

認知行動療法と動機付け強化療法を組み合わせた効果を検証した論文では、2年間の追跡調査について検討しており、治療群の年齢が対照群よりも若かったというものでした。 肝障害やアルコール使用障害への心理療法による禁酒効果はまだ検討の余地があるかもしれません。今後の検証に期待します。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Efficacy of Psychosocial Interventions in Inducing and Maintaining Alcohol Abstinence in Patients with Chronic Liver Disease - A Systematic Review.

Clin Gastroenterol Hepatol. 2015 Aug 6

[PMID: 26256464]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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