◆20mm未満の大腸カルチノイドでESDを受けた人の集計
研究班は、大きさ20mm未満の大腸カルチノイドに対してESDを受けた239人の患者を対象として、診療データをもとに、治療後対象者ごとに25か月から94か月まで追跡した経過をまとめました。
◆合併症3%、転移3%
次の結果が得られました。
一塊切除は239件のすべての病変について達成され、うち216件の病変(90.38%)で腫瘍組織が完全に取り除かれた。8人の患者にESD関連合併症が起こった(3.35%)。
フォローアップ期間中、すべての患者が局所再発なしのままだった。しかし、6人の患者(2.51%)において遠隔転移が検出され、リンパ管浸潤が転移のリスク因子だった。
90%以上の人で、カルチノイドの組織を完全に取り除くことに成功しました。治療が原因で起こった有害な出来事は対象者の3.35%にあり、追跡期間中に切除した場所からカルチノイドが再発した人はいませんでしたが、2.51%の人でほかの臓器に転移が現れました。
ほかの治療と比べてESDがどんな場合に適切かについては、カルチノイドの大きさによるなどの議論がありますが、この結果もひとつの材料になるかもしれません。
執筆者
Efficacy and Safety of Endoscopic Submucosal Dissection for Colorectal Carcinoids.
Clin Gastroenterol Hepatol. 2015 Aug 6 [Epub ahead of print]
[PMID: 26256463]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。