◆ 73人の脳卒中患者をランダムに割り付け
今回の研究では、発症から46時間以内の脳卒中患者73人を対象としました。対象者は、通常のリハビリメニューに加えて、電気刺激を行う群、偽の刺激を行う群、通常リハビリのみの群(コントロール群)にランダムに振り分けられました。
電気刺激と偽の刺激は、5カ所のツボに対して行われました。治療は、4週間にわたって行われました。
◆電気刺激を行った群で麻痺した側の握力とピンチ力(つまむ力)が改善
検証の結果、以下のことが報告されました。
事後解析の結果、電気刺激を行った群はコントロール群に比べて、4週間後の握力(P=0.015)とピンチ力(P=0.007)がより大きく改善し、その効果の差は12週間後、24週間後も持続した。
麻痺した腕のツボに電気刺激を行うと、握力とつまむ力が改善し、その効果は、24週間後まで持続しているという結果でした。
筆者らは「脳卒中急性期における4週間の電気刺激を加えることは通常のリハビリテーションのみを行うよりもより大きく長い握力とピンチ力の改善をもたらすようだ。」と述べています。
脳卒中では、脳へのダメージにより運動障害や感覚障害が生じます。発症後の早い段階から腕のツボに電気刺激を行うことが運動障害に対する有効なツールとなるかどうか、今後の研究に期待がかかります。
執筆者
Electrical acupoint stimulation of the affected arm in acute stroke: a placebo-controlled randomized clinical trial.
Clin Rehabil. 2014 Feb.
[PMID: 23904206]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。