◆慢性特発性蕁麻疹の子どもをランダム化
研究班は、原因がわからないじんましんの症状が続く慢性特発性蕁麻疹のある子どもを対象として、ルパタジンで治療する群、別の抗ヒスタミン薬であるデスロラタジンで治療する群、偽薬を使う群にランダムに分け、6週間の治療による効果を比較しました。
◆ルパタジンで症状改善
次の結果が得られました。
42日でUAS7の絶対変化量は、偽薬群と治療群で統計的に有意な差を示した(偽薬群で-5.5±7.5、ルパタジン群で-11.7±8.7、デスロラタジン群で-10.5±、9.6、P<0.001)。
有害事象は多くなく、どちらの治療群でも深刻ではないものだった。
ルパタジンを使った群で、じんましんの症状のスコアが改善する効果が見られ、深刻な副作用は見られませんでした。
研究班はこの結果から「ルパタジンは慢性特発性蕁麻疹のある子どもに6週間にわたって蕁麻疹の症状と生活の質を楽にする効果がある」と結論しています。
じんましんの治療では、アレルギーを起こす物質など原因を特定することだけでなく、原因が見つからない場合に症状を抑えることも重要です。ルパタジンの効果が確かなら、ほかの抗ヒスタミン薬に加わって、役に立つ場面があるかもしれません。
執筆者
Rupatadine effective in the treatment of chronic spontaneous urticaria in children aged 2-11 years: a randomized, double blind, placebo and desloratadine controlled study.
Pediatr Allergy Immunol. 2015 Aug 12 [Epub ahead of print]
[PMID: 26267219]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。