◆慢性腎臓病の進行予防に対する血圧管理の効果を検証
今回の研究では、過去の11論文をまとめて、降圧薬の効果を検証しました。
1977年から1999年の間に出版された論文のうち、慢性腎臓病に対してACE阻害薬による血圧管理の効果を検証した論文を集めました。
集められたデータ1,860名を対象に、血圧と腎臓病の進行の関連を検証しました。
◆最高血圧110-129mmHgであると慢性腎臓病の進行リスクは低い
以下の結果が得られました。
収縮期血圧が110-129mmHg、尿中のたんぱく質排泄量が2.0g/dより少ないことと、慢性腎臓病進行のリスクが低いことは関連していた。
ACE阻害薬は、血圧や尿中のたんぱく質排泄量で調整しても、有効なままであった(相対リスク0.67、95%信頼区間0.53-0.84)。
慢性腎臓病がある基準を超えて悪化する危険性に、血圧は関連し、ACE阻害薬の使用により慢性腎臓病の進行を抑えられるこという結果でした。
『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013』では、この結果などを参照して、慢性腎臓病の進行や心血管疾患の発症を抑えるために、「CKDに合併する高血圧の降圧療法を推奨する。」と記載されています。
執筆者
Progression of chronic kidney disease: the role of blood pressure control, proteinuria, and angiotensin-converting enzyme inhibition: a patient-level meta-analysis.
Ann Intern Med. 2003 Aug 19
[PMID: 12965979]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。