◆変形性膝関節症がある人とない人の遺伝子を比較
研究班は、変形性膝関節症の患者109人と、変形性膝関節症ではない人114人の遺伝子解析を行い、アンジオテンシン変換酵素(ACE)という物質を作る遺伝子の違いを調べました。
◆2か所の変化に関連
次の結果が得られました。
ACEのrs4343多型は変形性関節症のリスク増加と有意に関連していた(AG vs AAでオッズ比2.41、P=0.003、GG vs AAでオッズ比5.35、P=0.015、G vs Aでオッズ比2.27、P<0.001)。同様に、rs4362多型も変形性関節症のリスク因子だった(CT vs CCでオッズ比2.60、P=0.005、TT vs CCでオッズ比3.15、P=0.003、T vs Cでオッズ比1.88、P=0.001)。
ACE遺伝子のうちに特定の変異があったとき、変形性膝関節症の割合が大きくなっていました。
遺伝子の違いによって変形性膝関節症が起こりやすいかどうかを予測できれば、早い時期から対策が打てるかもしれません。この研究で調べられたACE遺伝子の変異が実際の診断にどの程度役立ちうるかなど、さらに進んだ研究に期待がかかります。
執筆者
Association between ACE polymorphisms and osteoarthritis susceptibility.
Int J Clin Exp Pathol. 2015 Jun 1
[PMID: 26261641]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。