◆ピオグリタゾン群、ビタミンE群、対照群にランダムに分類
今回の研究は、以下の通りに行われました。
非アルコール性脂肪性肝炎で糖尿病を合併していない成人247名を、1日30mgの量のピオグリタゾン群(80名)、1日800IUの量のビタミンE群(84名)、またはプラセボ群(83名)にランダムに振り分け、96週の治療を受けることとした。
非アルコール性脂肪性肝炎がある人を対象として、ピオグリタゾン群、ビタミンE群、対照群にランダムに振り分け、肝臓の組織に対するピグリタゾンの効果を検証しました。
◆ピオグリタゾンの投与と脂肪肝、肝臓の炎症が関連
調査の結果、以下のことを報告しました。
[...]、ビタミンEとピオグリタゾンの両薬剤は脂肪変性(ビタミンE:p=0.005、ピオグリタゾン:p<0.001)と実質炎症(ビタミンE:p=0.02、ピオグリタゾン:p=0.004)と関連していたが、線維化スコア(ビタミンE:p=0.24、ピオグリタゾン:p=0.12)とは関連していなかった。
ピオグリタゾンの投与は、脂肪肝で起こる異常な組織の変化を抑えることに関連性があることを報告しました。また、ビタミンEでも同様の結果が見られました。
筆者らは、「ピオグリタゾンについて[...]2次的ないくつかのアウトカムのに関しては有意な利益が観察された。」と述べています。
今回紹介した論文やその他の論文、専門家の意見などを踏まえて、『NAFLD/NASH診療ガイドライン』では一部の患者に対してピオグリタゾンの使用が推奨されています。
執筆者
Pioglitazone, vitamin E, or placebo for nonalcoholic steatohepatitis.
N Engl J Med. 2010 May 6
[PMID: 20427778]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。