2015.07.31 | ニュース

好酸球性肺炎の治療、ステロイドを使う期間は半分でよかった?

浜松医大など、44人のランダム化試験

from The European respiratory journal

好酸球性肺炎の治療、ステロイドを使う期間は半分でよかった?の写真

好酸球性肺炎の治療にはステロイド薬がよく使われますが、薬を減らしていくうちに再発することがあります。浜松医科大学などの研究班が、使用期間が3か月の場合と6か月の場合とで再発率に違いがなかったことを報告しました。

◆ステロイド薬の使用期間

ステロイド薬は、健康な体が常に作っているホルモン(副腎皮質ホルモン)とほぼ同じ物質です。ステロイド薬を使うと、体が副腎皮質ホルモンを少なく作るようになるので、治療効果が得られたあとも急にはやめないで時間をかけて少しずつ減らします。

この研究は、好酸球性肺炎の治療にステロイド薬を使ったあと、使い始めから3か月後に終了するよう減らした場合と、6か月後に終了するよう減らした場合を比較しました。

 

◆44人をランダム化

研究班は、好酸球性肺炎の患者44人を、3か月で終了するグループと6か月で終了するグループにランダムに分けてステロイド薬で治療し、2年後まで追跡して再発を調べました。

 

◆再発率に違いがない

次の結果が得られました。

3か月使用群では12人(52.1%)の再発があり、6か月使用群では13人(61.9%)の再発があった。累積再発率には有意差が見られなかった(P=0.56)。すべての再発例はプレドニゾロン治療の再開によって改善を示した。

3か月で終了したグループと6か月で終了したグループで2年間の再発率に違いが見られませんでした。再発した場合のすべてで、ステロイド薬を再開することで改善が見られました。

 

ステロイド薬は効果が高く、広く使われますが、副作用にも注意が必要と言われています。副作用のリスクを抑えながら十分な効果を得るために、こうした研究が使い方の参考になるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Efficacy of short-term prednisolone treatment in patients with chronic eosinophilic pneumonia.

Eur Respir J. 2015 Jun

 

[PMID: 25614171]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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