◆画像データと生検による診断の情報を取得
研究班は次のように、食道がんの検査として行われた高解像度内視鏡の画像データを解析の対象としました。
177人の対象者に対して、食道扁平上皮がんのスクリーニングまたは精査の目的で、中国の2病院とアメリカの1病院において2010年5月から2012年10月の間に高解像度内視鏡を使って行われた上部内視鏡検査の画像を解析した。
解析は高解像度内視鏡の画像から正しく食道がんを見分けることを目標にしました。高解像度内視鏡に写ったものが食道がんだったかどうかは、組織を切り取って観察する検査(生検)によって診断された結果を基準としました。
◆画像解析による診断基準を作成
画像を解析した結果と生検による診断がなるべく一致するように基準を作ったところ、評価のために使った画像データから、実際にがんがある画像のうち84%を正しく指摘し、がんではない画像のうち95%を正しくがんではないと判断することができました。
研究班は「ソフトウェアを使った画像診断ガイドは、医療資源が限られた環境の中で訓練と専門知識の問題を克服し、高解像度内視鏡のような光学的生検テクノロジーを幅広く利用することを可能にするかもしれない」と述べています。
訓練された人の目ではなく、コンピュータが画像を見分けられるようになれば、高度な訓練を受けることが難しい地域などでも画像検査が使いやすくなるかもしれません。情報技術の医療への応用は、まだまだこれからのようです。
執筆者
Quantitative analysis of high-resolution microendoscopic images for diagnosis of esophageal squamous cell carcinoma.
Clin Gastroenterol Hepatol. 2015 Feb
[PMID: 25066838]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。