2015.05.29 | ニュース

側弯症の新たな治療法?運動療法の効果を検証

トルコでシュロス法を試験
from Clinical rehabilitation
側弯症の新たな治療法?運動療法の効果を検証の写真
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側弯症は、背骨が曲がってしまう病気です。重症の場合は手術が必要になります。手術をしないで済むようにするため、装具を使う治療も行われます。ほかの治療法は標準的ではありませんが、「シュロス法」という運動療法が考案されています。トルコでシュロス法の効果を調べる研究が行われ、理学療法士の監督のもとシュロス法を行うと、曲がりを小さくする効果があったことが報告されました。

◆45人をランダム化

研究班は、45人の思春期にあたる側弯症の患者を対象として、次の3つのグループにランダムに振り分けました。

  • シュロス法を理学療法士の監督のもと行うグループ
  • シュロス法を家庭用のプログラムとして指導されるグループ
  • 何もしないグループ

それぞれのグループについて、治療の前後に体の曲がり具合を測り、また生活の質(QOL)を質問票で聞き取りました。

 

◆QOLを変えず改善あり

治療の結果は以下のとおりでした。

コブ角(-2.53°、P=0.003)、回旋角度(-4.23°、P=0.000)は理学療法士の監督のもとシュロス法を行ったグループでほかのグループよりも有意に減少し、改善を示した。猫背(-68.66mm; P=0.000)、腰の非対称性は理学療法士の監督のもとシュロス法を行ったグループでだけ改善し、ほかの2グループでは悪化した。QOLはどのグループでも有意差がなかった。

体の曲がりは理学療法士の監督のもとシュロス法を行ったグループで最もよく改善し、どのグループでもQOLには違いがありませんでした。

 

側弯症に対する運動療法は現在標準的ではなく、この研究は新しい選択肢を加えようとするものです。もし装具の必要もない治療法が確立されれば、より好まれる場合があるかもしれません。整形外科の医師の方や理学療法士の方は、側弯症の治療にどんなことを期待されますか?

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

The efficacy of three-dimensional Schroth exercises in adolescent idiopathic scoliosis: A randomised controlled clinical trial.

Clin Rehabil. 2015 Mar 16

[PMID: 25780260]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。