◆12か月の電話指導を通常のケアと比較
研究班は、喘息がある3歳から12歳の子どもを研究の対象としました。対象となった462の家庭は電話指導を、486の家庭は通常のケアを、それぞれ12か月間受けることとされました。
電話指導のグループでは、喘息の子どもの両親が、トレーナーから電話で喘息のケアの指導を受け、また医師との協力を促されました。
◆症状のない日が1年のうち21日増
12か月のケアの結果、電話指導のグループと通常ケアのグループで次のような違いがありました。
12か月後、電話指導を受けたグループではまったく症状の出ない日が通常のケアのグループよりも20.9日(95%信頼区間9.1-32.7)多かった。救急部受診数には違いがなかった。
電話指導のグループでは12か月のケアの期間中、まったく症状のない日が平均して20.9日多いという結果でした。
また、電話指導が終了したあとにも次の違いがありました。
24か月後、救急部受診数は減少し(子ども1人あたり平均-0.28回、95%信頼区間-0.5から-0.02)、電話指導によって遅れて出る効果が示唆された。
ケア開始から24か月後までに、病院の救急を受診した回数は、電話指導のグループのほうが少ないという結果でした。
電話指導の効果を示唆する結果が得られ、家庭での日々のケアが助けられることにつながるかもしれません。
執筆者
A cluster-randomized trial shows telephone peer coaching for parents reduces children's asthma morbidity.
J Allergy Clin Immunol. 2015 May
[PMID: 25445827]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。