2015.05.20 | ニュース

ヘルスリテラシーが低い人が死亡率が高かった

米研究チームが心不全患者1,379名を分析
from Journal of the American Heart Association
ヘルスリテラシーが低い人が死亡率が高かったの写真
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これまで、「心不全で入院した患者の30%以上が、退院後90日以内に再入院しているか、死亡している」と報告されています。この理由として、健康や病気の知識(ヘルスリテラシー)が原因ではないかと仮説を立て、今回の研究が実施されました。その結果、ヘルスリテラシーが低い心疾患患者は、死亡率が34%高くなっていたということが報告されました。

◆ヘルスリテラシーとは?

健康や病気に関する意思決定を行ううえで、必要な情報を理解し利用する能力のことです。ヘルスリテラシーと疾患の関連性についてはいくつかの報告がされており、特に予防医学において重要視されています。

 

◆心疾患患者のヘルスリテラシーと死亡の関連性を検証

今回の研究は、以下のような方法で行われました。

対象は、2010年11月から2013年6月の間に急性期の心疾患で入院し、自宅に退院した患者が2013年12月まで追跡された。

ヘルスリテラシーは、看護師がBrief Health Literacy Screenを用いて入院時に聴取し、その点数が9点以下である場合にヘルスリテラシーが低いと定義した。

簡単な質問項目からヘルスリテラシーをスコアにして、低い人が高い人と比べて、死亡率が高いかどうかを検証しました。

 

◆ヘルスリテラシーが低いと死亡率が34%高かった

調査から、以下の結果が得られました。

分析対象は1,379人(平均年齢:63.1歳、女性566人(41.0%))であり、そのうち324人(23.5%)の人がヘルスリテラシーが低かった。

追跡期間は中央値20.7ヶ月(四分位範囲12.8-29.6)で、403人(29.2%)が死亡した。 ヘルスリテラシーが低い人は、ヘルスリテラシーが高い人と比べて、死亡の調整ハザード比が1.34(95%信頼区間1.04-1.73、P=0.02)だった。

ヘルスリテラシーが低い人は、ヘルスリテラシーが高い人よりも、34%も死亡リスクが高いという結果でした。

著者らは、「医療者は患者のヘルスリテラシーをしばしば過大評価していることがある」と述べています。またその結果として、「患者は、複雑で、理解および実行することが困難な指導を受けている」と指摘しています。

 

一方通行の情報提供ではなく、患者のヘルスリテラシーを考慮したうえで、検査や治療、予後などに関する情報を提供し、共有していくことが必要かもしれません。この結果を、医療者の方はどのように感じられますか?

執筆者

MT

参考文献

Health literacy and mortality: a cohort study of patients hospitalized for acute heart failure.

J Am Heart Assoc. 2015 Apr 29

[PMID: 25926328]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。