◆食習慣を調査した後、19.3年の追跡
今回の研究では、1984年から1989年に卵の摂取量を調査した42歳から60歳の男性2,332人を平均19.3年間追跡しました。
2型糖尿病が発症したかどうかを、質問票、追跡開始から4年後・11年後・20年後に行った検査、病院の受診記録などから調べました。
◆卵を多く摂取している群で最大38%の発症リスク軽減
追跡期間で、2型糖尿病を発症した人は432名でした。
統計解析の結果、卵の摂取量が下位1/4の人数にあたる14g/日未満の群と比べて、上位1/4の人数にあたる45g/日以上の群では2型糖尿病を発症するリスクが38%低くなっていました。
卵の摂取量が多い群では空腹時血糖値が低い傾向がありました。コレステロールの摂取量と2型糖尿病の発症率の間に関連はありませんでした。
この結果を受け、特定の食べ物を「悪いもの」として扱うことは危険である、と筆者らは述べています。
卵をたくさん摂ると、コレステロール値が上がって体に悪いというイメージがありましたが、この報告に関しては糖尿病に関してはむしろ発症リスクが低いという結果となりました。食べ物と健康に関しては、相関関係を超えた報告というのはとても少ないのが現実です。きちんと元の情報を知って判断することが大切ではないでしょうか?
執筆者
Egg consumption and risk of incident type 2 diabetes in men: the Kuopio Ischaemic Heart Disease Risk Factor Study.
Am J Clin Nutr. 2015 Apr 1
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。