タシグナカプセル50mgの副作用
※ 副作用とは、医薬品を指示どおりに使用したにもかかわらず、患者に生じた好ましくない症状のことを指します。
人により副作用の発生傾向は異なります。記載されている副作用が必ず発生するものではありません。
また、全ての副作用が明らかになっているわけではありません。
主な副作用
発疹、皮膚そう痒症、脱毛症、皮膚乾燥、頭痛、筋骨格痛、関節痛、筋痙縮、悪心、上腹部痛、嘔吐
起こる可能性のある重大な副作用
骨髄抑制、好中球減少、白血球減少、血小板減少、貧血、高血糖、汎血球減少、QT間隔延長、心筋梗塞、狭心症、心不全、末梢動脈閉塞性疾患、閉塞性動脈硬化症、末梢性虚血、四肢動脈血栓症、壊死、間欠性跛行、疼痛、冷感、しびれ、一過性脳虚血発作、心膜炎、消化管出血、感染症、肺炎、敗血症、肝炎、肝機能障害、黄疸、膵炎、胸水、心嚢液貯留、心タンポナーデ、急激な体重増加、呼吸困難、間質性肺疾患、脳梗塞、出血、頭蓋内出血、後腹膜出血、出血性ショック、B型肝炎ウイルス再活性化、体液貯留、肺水腫、うっ血性心不全、脳浮腫、消化管穿孔、腫瘍崩壊症候群
上記以外の副作用
便秘、下痢、腹痛、ビリルビン増加、ALT増加、AST増加、高コレステロール血症、疲労、無力症、末梢性浮腫、低リン酸血症、リパーゼ増加、血中アミラーゼ増加、血栓症、体重増加、高尿酸血症、紅斑、皮膚炎、湿疹、皮膚色素過剰、多汗症、寝汗、皮膚剥脱、皮膚過角化、蕁麻疹、挫傷、皮膚乳頭腫、皮膚疼痛、ざ瘡、斑状出血、光線過敏、皮膚水疱、結節性紅斑、皮膚嚢腫、皮膚萎縮、脂腺過形成、皮膚肥厚、皮膚変色、顔面腫脹、剥脱性発疹、多形紅斑、不眠症、不安、うつ病、不快気分、錯乱状態、失見当識、浮動性めまい、感覚鈍麻、味覚異常、末梢性ニューロパチー、片頭痛、嗜眠、錯感覚、意識消失、失神、振戦、健忘、知覚過敏、異常感覚、下肢静止不能症候群、眼乾燥、結膜炎、眼瞼浮腫、眼そう痒症、眼充血、光視症、結膜出血、眼痛、視力低下、眼窩周囲浮腫、眼瞼炎、眼刺激、網脈絡膜症、強膜充血、結膜充血、オキュラーサーフェス疾患、霧視、視力障害、眼出血、回転性めまい、聴覚障害、耳痛、背部痛、筋骨格硬直、筋力低下、関節炎、側腹部痛、消化不良、腹部膨満、鼓腸、腹部不快感、胃腸炎、口内炎、口内乾燥、痔核、胃食道逆流、食道痛、胃潰瘍、裂孔ヘルニア、メレナ、歯肉炎、歯知覚過敏、口腔内潰瘍、潰瘍性食道炎、ALP増加、γ-GTP増加、肝腫大、咳嗽、鼻出血、発声障害、胸膜炎、肺高血圧症、高血圧、口腔咽頭痛、動悸、心房細動、頻脈、冠動脈疾患、徐脈、期外収縮、駆出率減少、心拡大、チアノーゼ、房室ブロック、不整脈、リンパ球減少症、発熱、発熱性好中球減少症、好酸球増加症、血小板血症、白血球増加症、潮紅、低血圧、血腫、血中クレアチニン増加、BUN増加、頻尿、排尿困難、着色尿、血尿、女性化乳房、勃起不全、月経過多、乳頭腫脹、乳房硬結、乳房痛、毛包炎、鼻咽頭炎、ヘルペスウイルス感染、気道感染、気管支炎、カンジダ症、せつ、皮下組織膿瘍、肛門膿瘍、足部白癬、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、続発性副甲状腺機能亢進症、糖尿病、食欲不振、脂質異常症、高トリグリセリド血症、痛風、低血糖、顔面浮腫、けん怠感、悪寒、胸部不快感、胸痛、過敏症、熱感、重力性浮腫、限局性浮腫、口腔乳頭腫、低カリウム血症、低カルシウム血症、体重減少、低マグネシウム血症、低ナトリウム血症、血中インスリン増加、血中非抱合ビリルビン増加、CK増加、超低比重リポ蛋白増加、VLDL増加、高カリウム血症、高カルシウム血症、血中副甲状腺ホルモン増加、トロポニン増加、LDH増加、手足症候群、点状出血、皮膚潰瘍、注意力障害、視神経炎、顔面神経麻痺、複視、眼部腫脹、視神経乳頭浮腫、羞明、耳鳴、関節腫脹、筋骨格系疼痛、吐血、亜イレウス、胆汁うっ滞、胸膜痛、咽喉刺激感、喘鳴、心雑音、高血圧クリーゼ、尿意切迫、尿失禁、腎不全、尿路感染、甲状腺炎、脱水、食欲亢進、インフルエンザ様疾患、高リン酸血症
タシグナカプセル50mgの用法・用量
- 通常、成人にはニロチニブとして1回400mgを食事の1時間以上前又は食後2時間以降に1日2回、12時間毎を目安に経口投与する
- ただし、初発の慢性期の慢性骨髄性白血病の場合には、1回投与量は300mgとする
- 通常、小児には体表面積に合わせて次の投与量(ニロチニブとして1回約230mg/㎡)を食事の1時間以上前又は食後2時間以降に1日2回、12時間毎を目安に経口投与する
- 1). 体表面積0.32㎡以下:1回投与量50mg
- 2). 体表面積0.33~0.54㎡:1回投与量100mg
- 3). 体表面積0.55~0.76㎡:1回投与量150mg
- 4). 体表面積0.77~0.97㎡:1回投与量200mg
- 5). 体表面積0.98~1.19㎡:1回投与量250mg
- 6). 体表面積1.20~1.41㎡:1回投与量300mg
- 7). 体表面積1.42~1.63㎡:1回投与量350mg
- 8). 体表面積1.64㎡以上:1回投与量400mg
- (用法及び用量に関連する注意)7.1. 成人における本剤の用法・用量は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、患者の状態や化学療法歴に応じて選択すること
- 7.2. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない
- 7.3. 食後に本剤を投与した場合、本剤の血中濃度増加するとの報告がある
- 食事の影響を避けるため食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること〔16.2.1参照〕
- 7.4. 副作用により、本剤を休薬、減量又は中止する場合には、副作用の症状、重症度等に応じて次の基準を考慮すること
- 7.4.1. 血液系の副作用と投与量調節の基準:白血病に関連しない好中球減少、血小板減少、貧血(ヘモグロビン低下)が認められた場合は、次を参考に投与量を調節すること〔11.1.1参照〕
- 1). 300mg1日2回投与中の初発慢性期慢性骨髄性白血病<CML>:好中球数1000/mm3未満又は血小板数50000/mm3未満又はヘモグロビン8.0g/dL未満;①好中球数1500/mm3以上又は血小板数75000/mm3以上又はヘモグロビン10.0g/dL以上に回復するまで休薬する、②2週間以内に回復した場合は、300mg1日2回の用量で再開する、③2週間以内に回復しなかった場合は、患者の状態により、400mg1日1回に減量する
- 2). 400mg1日2回投与中のイマチニブ抵抗性慢性期CML:好中球数1000/mm3未満又は血小板数50000/mm3未満;①好中球数1000/mm3以上又は血小板数50000/mm3以上に回復するまで休薬する、②2週間以内に回復した場合は、400mg1日2回の用量で再開する、③2週間以内に回復しなかった場合は、患者の状態により、400mg1日1回に減量する
- 3). 400mg1日2回投与中のイマチニブ抵抗性移行期CML:好中球数500/mm3未満又は血小板数10000/mm3未満;①好中球数1000/mm3以上又は血小板数20000/mm3以上に回復するまで休薬する、②2週間以内に回復した場合は、400mg1日2回の用量で再開する、③2週間以内に回復しなかった場合は、患者の状態により、400mg1日1回に減量する
- 4). 小児のCML:好中球数1000/mm3未満又は血小板数50000/mm3未満;①好中球数1500/mm3以上又は血小板数75000/mm3以上に回復するまで休薬する、②2週間以内に回復した場合は、230mg/㎡1日2回の用量で再開する、③2週間以内に回復しなかった場合は、患者の状態により、230mg/㎡1日1回に減量する、④減量後に再発した場合は、本剤の投与を中止する
- 7.4.2. 非血液系の副作用と投与量調節の基準:肝機能検査値上昇(ビリルビン上昇、AST上昇、ALT上昇)、膵機能検査値上昇(リパーゼ上昇)、QT間隔延長及びその他の非血液系副作用が認められた場合は、次を参考に投与量を調節すること〔1.2、8.2、8.5、11.1.2、11.1.10、11.1.11参照〕
- (1). 初発の慢性期の慢性骨髄性白血病1). 〈初発慢性期慢性骨髄性白血病〉肝機能検査値(ビリルビン、AST、ALT):ビリルビン値が施設正常値上限の1.5倍超かつ3倍以下又はAST値が施設正常値上限の2.5倍超かつ5倍以下、ALT値が施設正常値上限の2.5倍超かつ5倍以下;①ビリルビン値が施設正常値上限の1.5倍未満に、AST、ALT値が2.5倍未満に低下するまで本剤を休薬する、②300mg1日2回の用量で再開する
- 2). 〈初発慢性期慢性骨髄性白血病〉肝機能検査値(ビリルビン、AST、ALT):ビリルビン値が施設正常値上限の3倍超又はAST値が施設正常値上限の5倍超、ALT値が施設正常値上限の5倍超の場合;①ビリルビン値が施設正常値上限の1.5倍未満に、AST、ALT値が2.5倍未満に低下するまで本剤を休薬する、②400mg1日1回に減量して再開する
- 3). 〈初発慢性期慢性骨髄性白血病〉膵機能検査値(リパーゼ):リパーゼ値が施設正常値上限の2倍超;①リパーゼ値が施設正常値上限の1.5倍未満に低下するまで本剤を休薬する、②400mg1日1回に減量して再開する
- 4). 〈初発慢性期慢性骨髄性白血病〉QT間隔延長:QT間隔480msec以上の延長;①本剤を休薬する、②2週間以内に、450msec未満かつベースライン値からの延長が20msec以内に回復した場合は、300mg1日2回の用量で再開する、2週間の休薬以降も、450msec以上の場合は、本剤の投与を中止する、③投与を再開した後に、再度、450msec以上の延長が認められた場合は、本剤の投与を中止する
- 〈初発慢性期慢性骨髄性白血病〉その他のグレード2の非血液系副作用が発現した場合は、グレード1以下に回復するまで、本剤を休薬し、投与を再開する場合には、300mg1日2回の用量で再開する
- 〈初発慢性期慢性骨髄性白血病〉その他のグレード3以上の非血液系副作用が発現した場合は、グレード1以下に回復するまで、本剤を休薬し、投与を再開する場合には、400mg1日1回に減量するなど注意すること(グレードはNCI-CTCに準じる)
- (2). イマチニブ抵抗性の慢性期又は移行期の慢性骨髄性白血病1). 〈イマチニブ抵抗性慢性期又は移行期慢性骨髄性白血病〉肝機能検査値(ビリルビン、AST、ALT):ビリルビン値が施設正常値上限の3倍超又はAST値が施設正常値上限の5倍超、ALT値が施設正常値上限の5倍超;①ビリルビン値が施設正常値上限の1.5倍未満に、AST、ALT値が2.5倍未満に低下するまで本剤を休薬する、②400mg1日1回に減量して再開する
- 2). 〈イマチニブ抵抗性慢性期又は移行期慢性骨髄性白血病〉膵機能検査値(リパーゼ):リパーゼ値が施設正常値上限の2倍超;①リパーゼ値が施設正常値上限の1.5倍未満に低下するまで本剤を休薬する、②400mg1日1回に減量して再開する
- 3). 〈イマチニブ抵抗性慢性期又は移行期慢性骨髄性白血病〉QT間隔延長:QT間隔480msec以上の延長の場合;①本剤を休薬する、②2週間以内に、450msec未満かつベースライン値からの延長が20msec以内に回復した場合は、400mg1日2回の用量で再開する、2週間の休薬以降も、450msec以上480msec未満の場合は、400mg1日1回に減量して再開する、③400mg1日1回に減量して再開した後に、再度、480msec以上の延長が認められた場合は、本剤の投与を中止する
- 〈イマチニブ抵抗性慢性期又は移行期慢性骨髄性白血病〉その他のグレード3以上の非血液系副作用が発現した場合は、グレード1以下に回復するまで、本剤を休薬し、投与を再開する場合には、400mg1日1回に減量するなど注意すること(グレードはNCI-CTCに準じる)
- (3). 小児の慢性骨髄性白血病1). 〈小児の慢性骨髄性白血病〉肝機能検査値(ビリルビン、AST、ALT):ビリルビン値が施設正常値上限の1.5倍超又はAST値が施設正常値上限の5倍超、ALT値が施設正常値上限の5倍超;①ビリルビン値については施設正常値上限の1.5倍未満、AST、ALT値については3倍未満に低下するまで本剤を休薬する、②休薬前に230mg/㎡1日2回を投与していた場合は、230mg/㎡1日1回に減量して再開する、休薬前に230mg/㎡1日1回を投与していた場合は、4週間以内に①の値まで回復しなければ本剤の投与を中止する
- 2). 〈小児の慢性骨髄性白血病〉膵機能検査値(リパーゼ):リパーゼ値が施設正常値上限の2倍超;①リパーゼ値が施設正常値上限の1.5倍未満に低下するまで本剤を休薬する、②休薬前に230mg/㎡1日2回を投与していた場合は、230mg/㎡1日1回に減量して再開する、休薬前に230mg/㎡1日1回を投与していた場合は、本剤の投与を中止する
- 3). 〈小児の慢性骨髄性白血病〉QT間隔延長:QT間隔480msec以上の延長;①本剤を休薬する、②2週間以内に450msec未満かつベースライン値からの延長が20msec以内に回復した場合、休薬前に230mg/㎡1日2回を投与していた場合230mg/㎡1日1回に減量して再開する、休薬前に230mg/㎡1日1回を投与していた場合本剤の投与を中止する、2週間の休薬以降も、450msec以上の場合は、本剤の投与を中止する、③投与を再開した後に、再度、450msec以上の延長が認められた場合は、本剤の投与を中止する
- 〈小児の慢性骨髄性白血病〉その他のグレード2以上の非血液系副作用が発現した場合(グレード2の皮疹<初回発現時は適切な治療を行っても回復しない場合>、グレード3以上の下痢、グレード3以上の嘔吐が発現した場合)は、グレード1以下に回復するまで、本剤を休薬し、投与を再開する場合には、休薬前に230mg/㎡1日2回を投与していた場合は、230mg/㎡1日1回に減量して再開し、休薬前に230mg/㎡1日1回を投与していた場合は、本剤の投与を中止すること(グレードはNCI-CTCに準じる)
※ 実際に薬を使用する際は、医師から指示された服用方法や使用方法・回数などを優先して下さい。
※ 薬は飲み合わせによって身体に悪い影響を及ぼすことがあります。 飲み合わせに関して気になることがあれば、担当の医師や薬剤師に相談してみましょう。
薬剤名 |
影響 |
薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤 |
本剤の血中濃度が上昇、QT間隔延長 |
アゾール系抗真菌剤 |
本剤の血中濃度が上昇、QT間隔延長 |
イトラコナゾール |
本剤の血中濃度が上昇、QT間隔延長 |
ボリコナゾール |
本剤の血中濃度が上昇、QT間隔延長 |
リトナビル |
本剤の血中濃度が上昇、QT間隔延長 |
クラリスロマイシン |
本剤の血中濃度が上昇、QT間隔延長、QT間隔延長を起こす又は悪化 |
ケトコナゾール |
本剤のCmax及びAUCはそれぞれ1.8倍及び3倍に上昇 |
肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤 |
本剤の血中濃度が低下 |
フェニトイン |
本剤の血中濃度が低下 |
リファンピシン類 |
本剤の血中濃度が低下、本剤のCmax及びAUCがそれぞれ1/3及び1/5に低下 |
カルバマゼピン |
本剤の血中濃度が低下 |
フェノバルビタール |
本剤の血中濃度が低下 |
デキサメタゾン |
本剤の血中濃度が低下 |
肝薬物代謝酵素<CYP3A4>の基質となる薬剤 |
血中濃度が上昇 |
ミダゾラム |
血中濃度が上昇、Cmax及びAUCはそれぞれ2.0倍及び2.6倍に上昇 |
CYP3A4・P糖蛋白の基質 |
本剤及びこれらの薬剤の血中濃度が上昇 |
CYP3A4・P糖蛋白を阻害する薬剤 |
本剤及びこれらの薬剤の血中濃度が上昇 |
イマチニブ |
本剤及びこれらの薬剤の血中濃度が上昇、AUCは18~39%上昇、本剤のAUCは18~40%上昇 |
抗不整脈剤 |
QT間隔延長を起こす又は悪化 |
アミオダロン |
QT間隔延長を起こす又は悪化 |
ジソピラミド |
QT間隔延長を起こす又は悪化 |
プロカインアミド |
QT間隔延長を起こす又は悪化 |
キニジン |
QT間隔延長を起こす又は悪化 |
ソタロール |
QT間隔延長を起こす又は悪化 |
QTを延長する薬剤 |
QT間隔延長を起こす又は悪化 |
ハロペリドール |
QT間隔延長を起こす又は悪化 |
モキシフロキサシン |
QT間隔延長を起こす又は悪化 |
ベプリジル |
QT間隔延長を起こす又は悪化 |
ピモジド |
QT間隔延長を起こす又は悪化 |
胃内pHを上昇させる薬剤 |
本剤の吸収が低下、エソメプラゾールの併用で本剤のCmax及びAUCは27%及び34%減少 |
プロトンポンプ阻害剤 |
本剤の吸収が低下、エソメプラゾールの併用で本剤のCmax及びAUCは27%及び34%減少 |