グセルクマブ(ヒト型抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体)の解説
グセルクマブ(ヒト型抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体)の効果と作用機序
グセルクマブ(ヒト型抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体)の薬理作用
乾癬は慢性の炎症疾患で厚い白色(銀白色)の鱗屑を伴う紅斑が特徴で原因の詳細は解明されていないが、免疫異常であったり、乾癬になりやすい遺伝子を持った人がストレスなどにさらされることで起こると考えられている。
乾癬の多くは尋常性乾癬だが、関節に炎症・こわばりなどがあらわれる関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、発熱や皮膚の発赤とともに皮膚に膿がたまった状態があらわれる膿疱性乾癬などがあらわれる場合がある。
表皮細胞の異常増殖亢進を特徴とする乾癬の病態には、免疫細胞のひとつであるリンパ球T細胞が重要な役割を担っているとされている。T細胞の中でも特にヘルパーT細胞1(Th1)とヘルパーT細胞17(Th17)の関与が重要とされていて、それぞれCD4陽性ナイーブT細胞から分化誘導され活性化される。体内ではインターロイキン(IL)という免疫反応や炎症反応などに深く関わる物質が産生されるが、CD4陽性ナイーブT細胞からTh1への分化にはインターロイキン12(IL-12)という物質が関与し、インターロイキン23(IL-23)という物質はTh17の活性化を促すとされる。IL-23はIL-12と類似した構造などをもつIL-12サイトカインファミリーのひとつで、IL-23がT細胞などの細胞表面に発現している2つの受容体鎖である、IL-12受容体β-1(IL-12Rβ1)及びIL-23受容体(IL-23R)に順次結合することで受容体の複合体を形成し、IL-23としてのシグナル伝達を伝え細胞の活性化を誘導している。
本剤(グセルクマブ)はIL-23のp19サブユニットという部位に結合することでIL-23とIL-23Rによる複合体形成を阻害し、IL-23が伝達するシグナルを抑える作用をあらわし、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症などの症状を改善する効果をあらわす。また本剤には、IL-23などとの関連性が考えられている掌蹠膿疱症や潰瘍性大腸炎などに対する有用性も考えられている。
なお、本剤は特定物質に結合する抗体として造られたモノクローナル抗体の製剤となる。
グセルクマブ(ヒト型抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体)の主な副作用や注意点
- 注射部位反応
- 投与部位における
紅斑 や痛みなどがあらわれる場合がある
- 投与部位における
- 消化器症状
- 下痢、胃腸炎などがあらわれる場合がある
感染症 細菌 、ウイルス 、真菌 などによって上気道 感染、ヘルペスなどの感染症が起こる場合があり、頻度は稀とされるが重篤な感染症が引き起こされる可能性もある
- 過敏症
- 頻度は稀とされるが、アナフィラキシー、血管
浮腫 などがあらわれる可能性がある
- 頻度は稀とされるが、アナフィラキシー、血管
グセルクマブ(ヒト型抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体)の一般的な商品とその特徴
トレムフィア
- グセルクマブ製剤