ビタミンB2製剤(内服薬、注射剤)
水溶性ビタミンでビタミンB群の一種であるビタミンB2を主成分とする製剤で、体内にビタミンB2を補充することで、主にビタミンB2欠乏による粘膜症状、皮膚症状、眼症状などを改善する薬
ビタミンB2製剤(内服薬、注射剤)の解説
ビタミンB2製剤(内服薬、注射剤)の効果と作用機序
- 体内に
ビタミン B2を補充し、主にビタミンB2欠乏による諸症状を改善する薬- ビタミンB2は水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種
- ビタミンB2はエネルギー
代謝 や新陳代謝を促進し、皮膚や粘膜、髪などを健康的に保つ補助を担う - 本剤はビタミンB2を主成分とする製剤
- 高
コレステロール 血症や片頭痛の予防などに対して使われる場合もある
ビタミンB2製剤(内服薬、注射剤)の薬理作用
ビタミンB2は、ビタミンB群(水溶性ビタミン)の一種でリボフラビンとも呼ばれる。
体内で脂質の代謝に関わり、エネルギー代謝や新陳代謝を促進させ、健康な皮膚や髪、爪などをつくる補助を担うため、発育や美容などにも関わるビタミンで、食物では豚肉をはじめとする動物性タンパク質や納豆などに比較的多く含まれている。
本剤はビタミンB2を主成分をする製剤で、体内にビタミンB2を補うことで主にビタミンB2欠乏による口角炎、口内炎、舌炎などの口の周囲の粘膜症状、脂漏性湿疹などの皮膚症状、結膜炎や角膜炎などの眼症状、高コレステロール血症などの改善効果が期待できる。またビタミンB2には片頭痛(偏頭痛)の予防効果なども期待できるとされ、薬剤によっては頭痛治療に使われることも考えられる。
なお、ビタミンB2(リボフラビン)は生体内の小腸や肝臓でリン酸リボフラビン(FMN)となったり、さらにFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)になることで生理作用をあらわす。そのため本剤の中でもFAMやFADなどを主成分とする製剤は、体内でリボフラビンが生理活性を示す過程になんらかの障害が起きている状態においても、ビタミンB2としての生理作用が発揮されやすいなどの有用性が考えられる。
ビタミンB2製剤(内服薬、注射剤)の主な副作用や注意点
- 消化器症状(主に
内服薬 )- 頻度は稀だが、下痢、吐き気などがあらわれる可能性がある
- 尿色の変化に関して
ビタミン B2の成分が尿に混じることで、尿色が黄変する場合がある- 上記による尿の色の変化(黄変)そのものは健康に影響を与えるものではないが、臨床検査値に影響を与える可能性がある
・尿タンパク試験紙による検査などにおいて、偽陰性 を示すことがある
ビタミンB2製剤(内服薬、注射剤)の一般的な商品とその特徴
フラビタン
- FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)製剤
- 剤形に
内服薬 (錠剤、シロップ剤)や注射剤があり、用途などによって選択が可能- 上記以外の剤形として
点眼薬 (点眼液、眼軟膏)もある
- 上記以外の剤形として
ハイボン
- リボフラビン酪酸エステル製剤
- 剤形に錠剤、細粒剤があり、嚥下能力が低下した患者などへのメリットも考えられる
アデラビン
- 肝臓エキスとFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)の配合製剤(注射剤)