ビタミンA製剤
ビタミンAを補うことで夜盲症(鳥目)や皮膚の乾燥などを改善する薬

ビタミンA製剤の解説

ビタミンA製剤の効果と作用機序

  • ビタミンAを補うことで夜盲症(鳥目)や皮膚の乾燥などを改善する薬
    • ビタミンAは脂溶性(脂に溶けやすい性質)のビタミン
    • ビタミンAが目の感受性を維持し、夜盲症などに効果が期待できる
    • ビタミンAは皮膚や粘膜などを正常に保ち乾燥などから守る作用がある

ビタミンA製剤の薬理作用

ビタミンAは脂溶性(脂に溶けやすい性質)のビタミンであり、別名でレチノールともいう。明暗を感知する細胞に必要な色素(ロドプシン)の構成成分として視覚作用に関わり、粘膜や上皮細胞の機能維持にも関わっている。

本剤はビタミンA含有の製剤であり、目の明暗の感受性を維持する作用により夜盲症(鳥目)などの治療に効果が期待できる。また、ビタミンAには皮膚を正常に保つ作用があり、乾燥から皮膚を守る働きにより皮膚や角膜などの乾燥症などに使用される場合もある。

ビタミンA製剤の主な副作用や注意点

  • 過量投与などによるビタミンA過剰症(主に内服薬、注射剤に関して)
    • 急性症状:吐き気、嘔吐、腹痛、めまいなどがあらわれる場合がある
    • 慢性症状:食欲不振、便秘、頭痛、倦怠感、脱毛などがあらわれる場合がある
  • ビタミンAと類似した作用を持つ薬剤との飲み合わせに関して(内服薬、注射剤に関して)
    • エトレチナートやトレチノンなどとは併用しない
    • 本剤(内服薬、注射剤)と上記の薬剤を併用することでビタミンA過剰症と類似した副作用がおこる可能性がある

ビタミンA製剤の一般的な商品とその特徴

チョコラA

  • 散剤(チョコラA末)などもあり、嚥下能力の低下した患者などへのメリットが考えられる
  • 妊婦への使用に関する注意
    • 妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する婦人には、ビタミンA欠乏症の治療に用いる場合などを除き、原則として本剤の投与を避ける

ザーネ

  • ビタミンAの外用塗布剤
  • 保存方法に関して
    • 光や高温を避けて保存する

ユベラ(軟膏)

  • ユベラ軟膏はビタミンEとビタミンAを主成分とする外用塗布剤
  • ユベラ軟膏の保存方法に関して
    • 光を避けて、15℃以下の冷所で保存する