高アンモニア血症治療薬(ラクツロース製剤、ラクチトール製剤)
腸内で酸性度を高め腸管でのアンモニア産生や吸収などを低下させ血液中のアンモニアを低下させる薬

高アンモニア血症治療薬(ラクツロース製剤、ラクチトール製剤)の解説

高アンモニア血症治療薬(ラクツロース製剤、ラクチトール製剤)の効果と作用機序

  • 腸内で酸性度を高め腸管でのアンモニア産生や吸収などを低下させ血液中のアンモニアを低下させる薬
    • 肝機能の低下により血液中のアンモニアが増加し脳などへ移行することで意識障害や運動障害などがおこる場合がある
    • 腸内の酸性度が高い(pHが低い)とアンモニアの腸管からの吸収が低下する
    • 本剤は薬剤成分(ラクツロースやラクチトール)が腸内細菌により分解され酸を生成し酸性度を高める作用をあらわす
  • 本剤の中でラクツロースは薬剤のもつ緩下作用(排便を緩やかに促す作用)などにより排便改善などで使用する場合もある

高アンモニア血症治療薬(ラクツロース製剤、ラクチトール製剤)の薬理作用

肝硬変などの肝機能が低下した状態では体内にアンモニアがたまり脳などに移行することで、意識障害、運動障害などが引き起こされる場合がある。腸管では酸性度が低い(塩基性度が高い又はpHが高い)ほどアンモニアの腸管からの吸収がよいことが確認されている。逆に腸管における酸性度が高い状態であればアンモニアの吸収が抑えられる。

本剤の成分であるラクツロースやラクチトールは腸内で細菌によって分解され有機酸(酢酸など)を生成する。これにより腸管内が通常よりも酸性に傾き、腸管でのアンモニア産生及びアンモニアの腸管吸収の抑制作用により血液中のアンモニアを低下させる作用をあらわす。

またラクツロース製剤の中には、薬剤のもつ浸透圧作用による緩下作用(緩やかに排便を促す作用)や分解をうけて生成した有機酸による腸管運動亢進作用により、排便(便秘)改善などの目的で使用されるものもある。

高アンモニア血症治療薬(ラクツロース製剤、ラクチトール製剤)の主な副作用や注意点

  • 消化器症状
    • 下痢、吐き気、腹痛、食欲不振などがあらわれる場合がある
  • α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)との併用に関する注意
    • α-GIにより腸管での未消化多糖類が増加する可能性があり、本剤との併用によって腸内ガスの発生や下痢などが増加する可能性がある

高アンモニア血症治療薬(ラクツロース製剤、ラクチトール製剤)の一般的な商品とその特徴

モニラック

  • ラクツロース製剤
    • 液剤(シロップ剤)と散剤(原末)があり、服薬状況などによって選択が可能
  • 小児における排便(便秘)の改善、産婦人科術後の排ガス・排便促進に対しても使われる

ピアーレ

  • ラクツロースの液剤(シロップ剤)
  • 小児における排便(便秘)の改善、産婦人科術後の排ガス・排便促進に対しても使われる

カロリール

  • ラクツロースのゼリー剤
  • 産婦人科術後の排ガス・排便促進に対しても使われる

ラグノス

  • ラクツロースのゼリー剤
  • 産婦人科術後の排ガス・排便の促進に対しても使われる
  • ラグノスNF経口ゼリー分包に関して
    • 主成分(原薬)をより純度の高い結晶ラクツロースにすることでラグノスゼリー分包より夾雑物のガラクトースや乳糖を少なくした製剤
    • 慢性便秘症に対しても使われる

ポルトラック

  • ラクチトールの散剤
  • 主に肝硬変に伴う高アンモニア血症で使用する