しきゅうこうてんしょう(しきゅうこうけいこうくつしょう)
子宮後転症(子宮後傾後屈症)
子宮が背中側に傾いて曲がっている状態のこと。特別な症状がない限り治療の必要はない
6人の医師がチェック 41回の改訂 最終更新: 2019.01.08

子宮後転症(子宮後傾後屈症)の基礎知識

POINT 子宮後転症(子宮後傾後屈症)とは

本来、子宮は前方に傾き前方に曲がっている形をとっています。子宮後転症は反対に背中側に向かって子宮が倒れている状態のことを指します。子宮内膜症や骨盤内の炎症によって子宮後転症が起こることがあります。腰痛や強い生理痛、下腹部痛、性交痛が主な症状です。内診や長音検査によって状態が詳しく調べられます。症状がなければ、治療は必要はありませんが、強い症状がある場合は手術で子宮の位置をもとに戻します。子宮後転症は産婦人科で治療が行われます。

子宮後転症(子宮後傾後屈症)について

  • 子宮が背中側に傾いて曲がっている状態のこと。特別な症状がない限り治療の必要はない
  • メカニズム
    • 子宮は本来、前方(腹部側)に傾き、前方に曲がっているが、中には生まれつき子宮が後方(背中側)に傾き、後方に曲がっている人がいる
  • 主な原因
    • 子宮内膜症や骨盤の炎症が原因で、子宮と直腸あるいは骨盤腹膜と癒着し、後天的に子宮後転症になっていることがある
  • 頻度(発生率、罹患率、患者数など)
    • 正常の女性の約20%にみられる

子宮後転症(子宮後傾後屈症)の症状

  • 子宮後転症そのものによる特有の症状はない
  • 子宮が後方に曲がっていることによって、骨盤の圧迫などが起こり、下記の原因となることもある
    • 腰痛
    • 強い生理痛
    • 下腹部痛
    • 排便時や性交時の痛み
  • まれではあるが特徴的な症状
    • 子宮後傾後屈症の人が妊娠した場合、ごくまれに妊娠経過中に子宮が後傾したまま骨盤内にはまってしまうことがある
    • この状態を妊娠子宮後屈嵌頓症といい、尿閉流産などの原因となる場合がある

子宮後転症(子宮後傾後屈症)の検査・診断

  • スクリーニングに有効な検査
    • 内診
    • 超音波検査

子宮後転症(子宮後傾後屈症)の治療法

  • 強い症状がなければ治療の対象にはならない
  • 子宮内膜症や骨盤腹膜炎による癒着が原因の場合は、原因となるもとの病気の治療と合わせて、癒着剥離や位置を矯正する手術が行なわれることもある

子宮後転症(子宮後傾後屈症)のタグ

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