円形脱毛症の検査について
円形脱毛症が疑われる人には診察や検査が行われ、脱毛が円形脱毛症によるものかどうかが調べられます。また、同時に他の病気の有無についても調べられます。
1. 円形脱毛症が疑われる人に行われる診察や検査
毛が抜ける(脱毛)原因は円形脱毛症だけではないので、原因を詳しく調べるために、診察や検査が行われます。
【円形脱毛症が疑われる人に行われる診察や検査】
問診 - 身体診察
- 血液検査
ほとんどの人は問診と身体診察で原因が判断されますが、他の病気と区別がつきにくい人には血液検査が行われます。次にそれぞれの検査について個別に説明します。
2. 問診
問診とは患者さんとお医者さんが主に対話形式で行う診察のことを指します。問診には患者さんの「身体の状況」や「背景」を把握する目的があります。具体的には、患者さんが困っている症状を伝え、お医者さんは患者さんからの話を踏まえた上で、症状についてより詳しい質問をしたり、持病や服用している薬を確認します。
【円形脱毛症が疑われる人への問診の例】
- 脱毛について
- 脱毛にいつ気づいたか
- 脱毛は悪化しているか
- 脱毛以外の症状の有無について
- 治療中の持病や過去に治療した病気について
- 飲んでいる薬について
問診を行うことで、脱毛の原因が推測しやすくなります。 また、治療薬は薬の飲み合わせや、持病を踏まえて選ばれます。持病や過去に治療した病気、飲んでいる薬をできるだけ詳しく伝えてください。このとき「お薬手帳」を見せるとよいです。服薬開始日や容量などが詳しく記載されているので、もらさず内容を伝えることができます。
3. 身体診察
身体診察とは、お医者さんが患者さんの身体を見たり、触れたりして、全身の状態を詳しく調べることです。円形脱毛症の人では頭皮の状態が詳しく調べられます。お医者さんは脱毛の状態から、原因が円形脱毛症かどうかを確認したうえで、治療法を選びます。また、脱毛の原因となる甲状腺機能低下症やSLE(全身性エリテマトーデス)といった病気は全身に症状が現れることがあるので、頭皮以外の部分に異常がないかも併せて調べられます。
4. 血液検査
血液検査は、すべての人に行われるわけではなく、主に円形脱毛症以外の原因が疑われる人に行われます。脱毛を起こす病気には甲状腺機能低下症やSLE(全身性エリテマトーデス)などがありますが、これらの病気は血液検査の結果を参考にすることで、診断がつきやすくなります。具体的には、甲状腺機能低下症の人では血液中の
甲状腺機能低下症については「こちらのページ」を、SLE(全身性エリテマトーデス)については「こちらのページ」を参考にしてください。
参考文献
・日本皮膚科学会円形脱毛症ガイドライン作成委員会, 日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2017年版, 日皮会誌:127(13),2741-2762.
・Andrew G Messenger, Up To Date, Alopecia areata: Management