髄芽腫の基礎知識
POINT 髄芽腫とは
子どもに多いの悪性の脳腫瘍です。 まれに成人にも発病することがあります。小脳に発生することが多く、頭痛や吐き気、めまい、ふらつきなどの症状から見つかることもあります。画像検査(頭部CT検査や頭部MRI検査)などによって診断が行なわれ、手術と抗がん剤治療、放射線治療などの組み合わせによって治療されます。髄芽腫は悪性腫瘍ですが、治療がよく効いて完治することもあります。髄芽腫でよく見られる症状がある場合は、小児科や脳神経外科、神経科内科を受診してください。
髄芽腫について
- 主に子どもに起こる悪性の脳腫瘍
- 乳児から未成年の子どもに多い
- まれに成人にも起こることがある
- 脳の中でも小脳に起こることが多い
- 悪性腫瘍だが、治療が良く効いて治ることもある
髄芽腫の症状
髄芽腫の検査・診断
- 画像検査:腫瘍の位置や形、大きさが分かる。水頭症の有無も調べる
- 頭部CT検査
- 頭部MRI検査:CT検査よりも詳しいことが分かる
- 組織検査
- 手術でとった腫瘍の一部を、顕微鏡などを用いて、種類や悪性度を調べる
- 遺伝子検査
- 最近では、手術でとった腫瘍の遺伝子を調べる
- 組織検査の結果と合わせると、治療方法の選択の役に立つ
髄芽腫の治療法
- 手術と化学療法、放射線治療を組み合わせて行う
- まずは手術によって脳腫瘍の摘出を行う
- 手術で全て取りきれた場合に生存率が上がる
- その後放射線治療を行う
- 完治には放射線治療がとても重要
- 脳全体と脊髄に対する放射線治療を行う
- 化学療法は放射線治療で使う放射線の量を少なくする目的で、組み合わされる
- まずは手術によって脳腫瘍の摘出を行う
- 治す上で放射線治療重要だが、小さい子どもでは脳への副作用が大きい
- 知能低下や内分泌障害、骨の発育障害などが起こる
髄芽腫の経過と病院探しのポイント
髄芽腫が心配な方
髄芽腫の症状は、頭痛や吐き気、めまいやふらつき、ぼーっとするといった症状です。子供に多い病気です。
なかなかご自身で髄芽腫を疑うことはないと思います。上記の症状のいずれかが出現して困った時に、小児科のクリニックや病院を最初に受診して、頭のCTやMRIを撮った時に脳腫瘍を指摘され、髄芽腫を疑われることが実際には多いです。
頭のCTやMRIを撮って髄芽腫を疑われた場合、髄芽腫の患者さんが集まっている病院の脳神経外科に行くことをお勧めします。化学療法や放射線療法は小児科で行うことも多いです。小児の脳腫瘍の手術、化学療法、放射円療法が出来る病院はかなり限られていて、大学病院とごく一部の総合病院となります。
髄芽腫が疑われた時には、緊急性がある時も多いです。最初にCTやMRIを撮ったクリニック、病院から速やかに治療が出来る病院を紹介してもらいましょう。
一般的に脳腫瘍は、手術か生検で腫瘍の組織を採取して、病理検査を行うことでしか診断が確定しません。髄芽腫の場合は年齢、CTやMRIの画像所見、脳の中での部位からある程度髄芽腫だろうと予測できます。もちろん病理検査の結果、違う脳腫瘍と診断されることもあります。
髄芽腫でお困りの方
髄芽腫の治療としては、まず手術が行われ、病理検査で診断が確定してから、化学療法、放射線療法が行われます。手術においては腫瘍が全摘出されているほどその後の経過が良いため、熟練した腕の良い脳神経外科の医師の手術を受けることをお勧めします。
治療は少なくとも数ヶ月入院して行われます。退院した後も数年のスパンで主治医、病院に通うことになります。髄芽腫の場合緊急性が高い場合もあり、また地域でも治療ができる医師、病院は限られているため医師を選ぶのは難しいですが、主治医との相性は大切です。
小脳に出来ることが多いため、発見時、あるいは術後ふらつきが強いこともあります。そのような場合はリハビリが大切です。
思春期の子供の場合、家族や友人他人に自分の気持ちや悩みを相談することができず、一人で抱え込むことも多いです。精神的、心理的なサポートも出来た方が良医です。そういったサポートチームがある病院も多いと思います。
この記事は役に立ちましたか?
MEDLEY運営チームに、記事に対しての
感想コメントを送ることができます