はいほうたんぱくしょう
肺胞蛋白症
本来肺を膨らませるために必要なタンパク質に由来する成分が、肺の中に溜まってしまう病気
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最終更新: 2024.04.14
肺胞蛋白症の基礎知識
POINT 肺胞蛋白症とは
肺胞蛋白症は肺の中にサーファクタント(肺が膨らんだ状態を維持するために体内で作られる物質)と呼ばれるタンパク質に由来する脂質やタンパク質が溜まってしまう病気です。サーファクタントが作られすぎている、あるいは分解機能に異常があることが原因と考えられます。初期には症状は自覚しないことがほとんどですが、進行すると動いた時の呼吸困難感・咳・痰などを感じるようになります。肺胞蛋白症は画像検査・血液検査・肺の組織や内容液の顕微鏡検査などで診断します。肺を洗浄する治療や、GM-CSFという薬を吸入する治療などがあります。肺胞蛋白症が心配な人や治療したい人は、呼吸器内科を受診して下さい。
肺胞蛋白症について
- 本来肺を膨らませるために必要なタンパク質(サーファクタント)に由来する脂質やタンパク質が肺の中に溜まってしまう病気
- サーファクタントが過剰に作られたり、うまく分解されないために肺の中に蓄積する
- 病気の種類は大きく以下の3種類に分けられる
特発性 (原因不明)- 成人の肺胞蛋白症のほとんど(90%以上)はこのパターンである
- 頻度は0.3-0.6人/10万人程度
- 30-50歳に多く、約3:1の割合で男性優位
- 喫煙者で多く
発症 する - ほぼ全員で血液中の抗GM-CSF中和
自己抗体 が検出される
先天性 - 遺伝子の異常により発症する
- ほとんどの場合で抗GM-CSF自己抗体は陰性である
続発性 - 珪肺やニューモシスチス肺炎、骨髄異形成症候群(MDS)などの後に起こる
- ほとんどの場合で抗GM-CSF自己抗体は陰性である
肺胞蛋白症の症状
- 初期は無症状
- 症状がないまま健康診断でたまたま発見されることもある
- 進行すると息切れ、呼吸困難、咳、痰などが起こる
肺胞蛋白症の検査・診断
- 画像検査
胸部レントゲン (X線 )検査胸部CT検査
気管支内視鏡 検査気管支 肺胞 洗浄(BAL)を行うと、米のとぎ汁のような白濁した液が採取される
- 必要であれば気管支内視鏡や
胸腔鏡 を用いて肺の生検 を行う - 採血検査
- 他の病気の有無を調べる
- 抗GM-CSF中和
自己抗体 の有無を調べる
呼吸機能検査 - 肺活量など、呼吸の機能がどの程度障害されているかを調べる
肺胞蛋白症の治療法
- 無症状の場合や症状が軽度の場合は
経過観察 を行う自己免疫 性の場合10-20%程度が自然に回復するとされている
- 低酸素状態になってしまう場合には
在宅酸素療法 (HOT)を導入する - 症状が強い場合には肺を洗浄する治療が必要になる
- 全肺洗浄
- 肺の中に食塩水を満たして洗浄する治療
- 片方の肺ずつ行い、1日で両側行う場合もあれば、1週間程度間を置くこともある
全身麻酔 をして行う治療
- 反復区域洗浄
気管支内視鏡 を用いて、肺の一部を繰り返し洗浄する方法
- 全肺洗浄
- GM-CSF吸入療法(サルグマリン:一般名サルグラモスチム)
- 抗GM-CSF
自己抗体 によりGM-CSFの働きが抑えられることで発症 するので、それを吸入薬で補う治療 - 2024年3月に承認された
- 抗GM-CSF
- 禁煙、肺炎予防(
肺炎球菌 ワクチンやインフルエンザワクチンの接種)などが重要
肺胞蛋白症のタグ
肺胞蛋白症に関わるからだの部位