ぴるびんさんきなーぜけつぼうせいひんけつ(ぴーけーけっそんしょう)
ピルビン酸キナーゼ欠乏性貧血(PK欠損症)
赤血球の機能を維持するために重要な酵素の1つである、ピルビン酸キナーゼという酵素の働きが生まれつき低い状態
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最終更新: 2018.02.15
ピルビン酸キナーゼ欠乏性貧血(PK欠損症)の基礎知識
POINT ピルビン酸キナーゼ欠乏性貧血(PK欠損症)とは
赤血球は血液中に含まれる細胞であり、酸素を運ぶ役割があります。ピルビン酸キナーゼは赤血球機能を維持するうえで重要な酵素です。ピルビン酸キナーゼ欠乏性貧血では、生まれつき酵素の機能が不十分であるため、赤血球が体内で破壊されてしまって貧血が起こります。これを溶血性貧血といいます。症状としては、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、だるさ、疲れやすさなどの貧血症状に加えて、黄疸(おうだん:皮膚や眼が黄色くなる)、脾腫(脾臓が腫れてお腹が張る)などがあります。診断は採血検査で行います。治療としては、目立った貧血が起こらなければ様子見のみを行うことも多いですが、輸血を頻繁に要するような貧血の場合には脾臓の摘出などを行います。ピルビン酸キナーゼ欠乏性貧血が心配な方や治療したい方は小児科や血液内科を受診してください。
ピルビン酸キナーゼ欠乏性貧血(PK欠損症)について
ピルビン酸キナーゼ欠乏性貧血(PK欠損症)の症状
- 貧血による
症状 - めまい、ふらつき、立ちくらみ
- だるさ、疲れやすさ
- 息切れ
動悸 - 顔色が悪い
赤血球 が壊れる(溶血)ことにより、黄疸 や脾腫、胆石がみられる- 黄疸:皮膚や眼球が黄色くなる
- 脾腫:
脾臓 が腫れてお腹の張りや不快感を生じる - 胆石:胆のうに結石ができて、右のみぞおちが痛くなる
ピルビン酸キナーゼ欠乏性貧血(PK欠損症)の検査・診断
- 血液検査
- 貧血の程度や原因を調べる
- ピルビン酸キナーゼの働きを調べる
- 画像検査
CT 検査、MRI 検査、超音波検査 などで脾臓 の腫れ具合や全身の臓器を調べる
ピルビン酸キナーゼ欠乏性貧血(PK欠損症)の治療法
- 完治する方法はないが、
脾臓 を摘出(脾摘)をすることで貧血の改善が見込める- 輸血を頻繁に要するようなケースで脾摘を考慮する
- 多くの場合は命に問題はないが、重症化する場合があるので定期的に通院が必要
- 多くのケースで天寿を全うできるが、中には新生児期から小児期に亡くなる場合もある