結核性髄膜炎(脳結核腫)の基礎知識
POINT 結核性髄膜炎(脳結核腫)とは
結核菌は多くの場合で肺に感染を起こします。体内で感染を起こした結核菌が、脳脊髄液に侵入した場合を結核性髄膜炎と言い、脳に感染を起こした場合を脳結核腫と言います。主な症状は、発熱・頭痛・首が固くなる・吐き気・けいれん・意識朦朧・人格の変化などです。診断をつけるには、背中に針を刺して脳脊髄液を採取して、脳脊髄液の中に結核菌がいないかを調べる検査を行います。 死亡率は14-28%で後遺症が残る確率も20-30%と報告されており、専門的な施設で検査や治療を行うことが望ましいです。神経内科・脳神経外科・感染症内科などにかかるようにして下さい。
結核性髄膜炎(脳結核腫)について
結核菌 が脳や髄膜に感染した状態- 多くの場合血液に侵入した結核菌が
脳脊髄液 にまで及ぶ形で感染する - 脳に感染の固まりを作ると脳結核腫とよぶ
- 多くの場合血液に侵入した結核菌が
HIV 感染者に多く見られる- 致死率が高く後遺症が残りやすい
- 医療資源の整っている国でも、致死率は14-28%で後遺症が残る確率も20-30%と言われている
結核性髄膜炎(脳結核腫)の症状
- 初期症状
- 発熱
- 悪寒
- 全身のだるさ(
倦怠感 ) - 頭痛
- 首が硬くなる
- その後進行すると出る症状
- 激しい頭痛
- 吐き気、嘔吐
- 神経症状
麻痺 - けいれん
意識障害 、精神症状- 錯乱、
昏睡 、人格の変化など
- 錯乱、
- 寝汗(盗汗)
結核性髄膜炎(脳結核腫)の検査・診断
結核性髄膜炎(脳結核腫)の治療法
結核性髄膜炎(脳結核腫)の経過と病院探しのポイント
結核性髄膜炎(脳結核腫)が心配な方
結核性髄膜炎は、一般的な髄膜炎とは少し症状と経過が異なる病気です。通常、短ければ数時間、そうでなくとも数日間で進行する他の髄膜炎とは異なり、結核性髄膜炎は数週間かけて徐々に進行します。頭痛、微熱、吐き気、意識もうろうといったような症状が出現します。
ご自身が結核性を含む髄膜炎でないかと心配になった時、まずはお近くの内科や小児科クリニックを受診することをお勧めします。その上で髄膜炎が強く疑われるということになれば、最初にかかった医療機関から診療情報提供書(紹介状)をもらった上で専門病院を受診する流れになるでしょう。
診断のためには腰椎穿刺といって、背中から針を刺して背骨の内側にある髄液を採取することが必要です。髄膜炎の原因が結核性のものかどうかは、やはり腰椎穿刺をしなければ判断がつきません。レントゲンやCTなどの画像検査で髄膜炎を診断することはできませんが、他の病気でないことを確かめるために頭部CTの撮影が行われることがあります。
結核性髄膜炎(脳結核腫)でお困りの方
結核性髄膜炎の治療は、抗生物質で行います。治療期間も数週間と長引くことが多く、入院の上での治療が必要です。
髄膜炎の中でも比較的頻度の低いものですから、神経内科専門医、脳神経外科専門医、感染症専門医などの専門医がいる病院での治療が望ましいでしょう。