Beta 後十字靭帯損傷のQ&A
後十字靭帯損傷の原因、メカニズムについて教えて下さい。
後十字靭帯とは、膝にある靭帯で、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の後側をつなぐ靭帯です。後十字靭帯損傷は、脛骨に前から強い衝撃が加わった場合に受傷しやすいとされています。そのため、転んでひざを強く打った場合や、交通事故で座席とダッシュボードの間に足を挟まれた場合などに受傷しやすいです。
後十字靭帯損傷は、どんな症状で発症するのですか?
後十字靭帯損傷は、はじめは膝の痛みと関節の動かしにくさが現れます。徐々に膝が腫れ、膝に血が溜まる場合もあります。膝が抜けるような感覚や、膝に力が入りにくい感覚を覚えます。関節が不安定なまま放置すると、他の膝の靭帯や半月板を痛めてしまうことがあります。また、膝がひっかかり、伸びにくくなることもあります。無理をせず、早めに受診することが大切です。
後十字靭帯損傷は、どのように診断するのですか?
医師による問診と徒手検査からスクリーニングを行います。徒手検査は、医師の手で患者の関節に力を加えて、関節の安定性をみます。確定診断には、MRI検査を行います。X線(レントゲン)検査では、靭帯はうつらないので、診断には用いません。
後十字靭帯損傷の治療法について教えて下さい。
治療方法は主に保存療法と手術療法の二つがあります。後十字靭帯損傷は、保存療法では、サポーターをつけ、関節を固定した上で、関節の動きを引き出したり、筋力トレーニングを行ったりします。手術療法では、損傷した靭帯をつなぎ合わせたり、新しい腱をいれたりします。一般的に、後十字靭帯損傷の手術は、膝の靭帯の手術の中でも難しいといわれています。後十字靭帯は多少ゆるみがあっても、スポーツに大きな支障をきたさないことから、まずは保存療法を選択する場合が多いです。
後十字靭帯損傷では入院が必要ですか?通院はどの程度必要ですか?
手術をする場合は、入院が必要です。日帰りで手術することも可能ですが、術後1週間ほど入院する場合もあります。手術をして、再建した腱と骨がくっつくには3か月程かかるとも言われています。しかし、まだ完全ではないため、術後6か月ほどたってからスポーツに復帰する場合が多いです。
後十字靭帯損傷後は、スポーツへ復帰できますか?
後十字靭帯は多少ゆるみがあっても、スポーツに大きな支障をきたさないことから、まずは、サポーターなどで関節を固定し、徐々にスポーツを行っていきます。受診せずに放置しておくと、他の膝の靭帯を痛めることになりますので、医師の診断を受けた上で、治療方法やスポーツ復帰を決めることが必要です。
後十字靭帯損傷後、リハビリは必要ですか?
保存療法を選択した場合でも、手術をした場合でも、早期に関節を動かしたり、徐々に荷重練習を行ったりしながら、歩く練習をしていく必要があります。医師と相談し、リハビリを行うか決めましょう。