腸重積の症状について
腸重積は腸と腸が重なるようにはまり込んだ状態で、速やかな治療が必要な病気です。腸重積にかかる人の大多数は乳幼児で、8割が2歳までに
1. 腸重積でよくみられる症状

腸重積が起こると、腸がはまり込むことによって腹痛、血便、吐き気、嘔吐などの症状がでます。迅速に治療を始めなくてはならない病気ですが、小さな子どもは症状をうまく伝えられないので、普段とは違う泣き方や様子に大人が気づいてあげることが大切です。
腹痛
腸重積で起こる腹痛には「ぜん動」という腸の動きが大きく関係しています。ぜん動は腸が便を肛門側に送り出すための動きのことで、この動きのサイクルに応じて、15−20分おきに腸がはまり込んだり、正常な位置に戻ったりを繰り返します。はまり込むときに痛みが出て、正常な位置になると痛みが消えるので、子どもは泣いたり泣きやんだりを繰り返します。一時的に痛みがなくなった子どもは元気そうに見えることがありますが、再び不機嫌になったり泣いたりする場合には、症状の原因が腸重積の可能性があります。
血便
腸重積では、腸と腸の重なり合った部分で出血が起こり、いちごジャムのような血便が出ることがあります。このような血便が混ざるのは腸重積の子どもの約半分のみで、特に発症直後では血便が出ないことが多いです。血便は腸重積かどうか判断をするために重要な症状ではありますが、血便がないからといって腸重積ではないと判断するのは早計です。腸重積が疑われる他の症状があれば、血便がなくても受診をすることが早期発見につながります。
吐き気・嘔吐
腸の通りが悪くなることにより、吐き気を感じたり嘔吐することがあります。これらは感染性胃腸炎などのよくある病気でも起こる症状です。そのため、腸重積に特徴的な血便などの症状がない発症してすぐの腸重積の人では、感染性胃腸炎と見分けがつきにくいことがあります。
ぐったりしていて元気がない様子
腸重積になるのはほとんどが乳幼児です。本人が症状を言葉で伝えるのは難しいので、周りの人が普段より元気がないかどうかを判断しなくてはなりません。お医者さんは病気の専門家ですが、普段の患者さんの様子を知っているわけではないため、保護者からの情報が極めて重要です。保護者から見た子どもの様子をお医者さんに伝えてください。
2. 腸重積が進行した時の症状
腸重積はときに重症となり命にかかわる状態になることがあります。
腸重積では腸が腸に入り込んで圧迫されるので、血液の流れが悪くなります。進行して腸の大きな血管の流れが悪くなると、腸の重なった部分が
重症の腸重積になると下記のような症状が現れます。
【重症の腸重積でみられる症状】
- 激しい腹痛
- 顔が青白くなる
- 冷や汗
- 悪寒戦慄(寒気がして全身が震える)
- 体温の異常(低体温や発熱)
- 脈拍や呼吸が速くなる
意識障害
腸が壊死すると激しくお腹が痛くなり
注意:乳幼児は大人より正常な脈拍が多めなので、脈拍が速いかどうか判断をするときには注意が必要です。脈拍の基準にはさまざまありますが、目安としては、大人では1分間に90回より多ければ多いとされます。一方、1歳以下の乳幼児では、1分間あたり180回より多い場合に「脈が速い」とされます。また、2歳から5歳までの幼児では、1分間あたり140回より多い脈拍の数であれば「脈が速い」とされます。
受診するかどうか判断に迷うときは、生後1ヶ月から6歳の子どもを対象にした小児救急学会が作成したウェブサイト「こどもの救急」で当てはまる症状を選択すると、緊急で受診したほうがよいかどうか目安がわかります。
参考文献
・日本小児救急医学会/監, 「エビデンスに基づいた小児腸重積症の診療ガイドライン」