扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍の基礎知識
POINT 扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍とは
扁桃周囲炎は感染による扁桃での炎症が周囲の組織に波及した状態を指します。また、扁桃の感染が長く続くことで周囲に膿が溜まることがあり、その状態を扁桃周囲膿瘍といいます。主な症状はのどの痛み・発熱・飲み込みにくさ・口臭などです。症状がひどくなると、のどが狭くなって息苦しくなることがあります。 症状の程度と経過から診断されます。また、感染の原因となっている細菌を特定するために細菌検査を行うことがあります。扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍が心配な人や治療したい人は、耳鼻咽喉科・小児科・総合内科・感染症内科などを受診して下さい。膿が大きくなると窒息の危険があるため、息苦しさが強い人は夜間休日でも躊躇なく医療機関を受診、または救急要請してください。
扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍について
扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍の症状
扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍の検査・診断
- 症状の問診と、のどの状態から診断される
- 血液検査
- 炎症の程度を調べるために行われる
- 扁桃周囲膿瘍が疑われる場合には、首の周囲のCT検査や超音波検査が行われる
扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍の治療法
- 抗菌薬をしっかりと使用して治療する
- ペニシリン系抗菌薬、第1世代セフェム系抗菌薬、クリンダマイシンなど
- 重症の場合はのどの痛みのために十分な水分を摂取できないことがあるので、その場合には入院して点滴で治療を行う
- 抗菌薬の使用で不十分であれば、膿瘍に穿刺や切開をして内部の膿を取り除く治療を行う
- 膿瘍が大きくなって呼吸が苦しくなっている場合は緊急手術が必要となることがある
扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍の経過と病院探しのポイント
扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍が心配な方
扁桃周囲炎は喉に炎症が起きている状態です。いわゆるのど風邪の一つですが、これが進行して生じる扁桃周囲膿瘍になると、様々な症状が強くなります。扁桃周囲膿瘍は喉に菌が感染することにより膿のかたまりを作った状態で、膿のかたまりが大きくなることにより、空気の通り道である気道が狭くなり、窒息する危険性のある病気です。大半は扁桃周囲膿瘍になる前に扁桃周囲炎の時点で治癒しますが、長期化した場合には注意が必要です。最初は喉や扁桃のあたりの感染で喉が痛む程度であっても、悪化することで扁桃周囲膿瘍に進行する可能性があります。扁桃周囲膿瘍では、喉の片側の強い痛み、全身のだるさや発熱、口が開けにくい、つばが飲み込めない、息が苦しいと言った症状がみられます。
ご自身が扁桃周囲膿瘍でないかと心配になった時、最初に受診するのは耳鼻科(耳鼻咽喉科)や救急科の病院が適しています。場合によっては、救急医と耳鼻科医が連携を取り対応します。扁桃周囲炎であれば一般的な内科のクリニックで問題ありません。内科クリニックを受診して扁桃周囲膿瘍の可能性があると診断されれば、耳鼻科など適切な診療科と病院を紹介してくれることになります。
扁桃周囲膿瘍の診断は、問診と喉の診察、血液検査、頸部の造影CTで行います。血液検査では炎症の値が上昇し、頸部の造影CTでは膿のかたまりを確認します。原因の細菌が何か確認するために、血液検査や膿を採取し、細菌がいないか検査を行うこともあります。CT検査をクリニックで行えるところは少なく、基本的には総合病院で行うことになります。診断だけであれば、CTがなくても、症状や診察からクリニックでも診断可能です。しかし、扁桃周囲膿瘍に対する対応も、軽度であれば、クリニックの耳鼻科であっても可能ですが、基本的には総合病院の受診が安心です。診断自体は病院ごとに差がでることはありませんが、緊急を要する疾患であるため、お近くの総合病院をすぐに受診することが大切です。
扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍でお困りの方
扁桃周囲膿瘍の治療は、抗菌薬を使用して、膿のかたまりに対して穿刺や切開を行い排膿します。膿のかたまりが大きくなることにより、気道が狭くなって呼吸が苦しくなっているような状態では、気道確保のために、気管挿管といって喉の奥の気道に管を入れる処置を行うこともありえます。クリニックの受診で対応が困難な場合はすぐに総合病院を紹介してもらい、このような治療を行う必要があります。
ただの風邪だと思っていても、普通の咽頭炎から扁桃周囲膿瘍に進展することもあり、注意が必要です。なかなか咽頭炎が治らないような場合や扁桃周囲膿瘍を疑うような症状がある場合には、すぐに病院を受診しましょう。しっかりと治療すれば後遺症はほとんどない病気ですので適切な受診が大切です。
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