眼内異物の基礎知識
POINT 眼内異物とは
異物が目玉の中に入り込んだ状態のことです。目の中にかなりのスピードで異物が飛びこむと、目の表面の層を貫通して中にまで入り込んでしまいます。金属の加工作業や爆発、眼鏡の損傷時に起こりやすいとされています。眼内異物があると痛みや視力の低下、充血などの症状が現れます。視力検査や眼圧検査、細隙灯顕微鏡検査、頭部CT検査を行い、眼内異物の状況を確認します。眼内異物である場合は、異物の除去が行われ、位置によっては手術が必要なこともあります。目の中に何かが入って痛みが強い場合や違和感がとれない場合は眼内異物の可能性があります。眼科を受診してください。
眼内異物について
眼内異物の症状
- 眼球の痛み
- 充血
- 視力の低下
- 涙が流れる
- 眼球の傷口から液体が出てくる
眼内異物の検査・診断
視力検査 :視力や視野を調べる眼圧検査 ::目の中の圧力を調べる- 眼科用顕微鏡:眼の傷を調べる
頭部CT :眼球内の異物を調べるMRI 検査をすると金属片を磁力で動かすことがあるので、混入したものの成分が分かるまではMRI検査を行わない
眼内異物の治療法
- 異物が表面にある場合はピンセット等で取り除くが、視力低下や感染などを引き起こしている場合は、手術を行う
- 眼の内部に入った異物から感染を起こさないように、
抗菌薬 を使用する - 眼の損傷を悪化させないよう、眼帯を装着する
- 金属加工などの作業を行う際には、保護用メガネを必ず装着することで予防できる
眼内異物の経過と病院探しのポイント
眼内異物でお困りの方
眼内異物では、ご自身で「何かが眼に入った」と自覚がある状態のことが多いです。その異物が眼の表面の黒目部分にあれば角膜異物と呼び、眼の内部まで入り込んでしまっている場合には眼内異物と呼びます。
眼に物が入って痛みが強い場合には、すぐに眼科を受診してください。夜間や土日で眼科が空いていなければ救急科を受診することをお勧めします。救急科では必ずしも十分な処置が可能とは言えませんが、応急処置として痛み止めや炎症を抑える薬での対応が可能です。その上で翌朝に眼科の受診をするという流れになるかもしれません。異物がそのまま放置しても大丈夫な状態であれば、感染が生じないように抗生物質(抗菌薬)を使用して様子を見ることもありますが、大きな異物や視力低下の原因になっているような場合には手術が行われます。異物を取り除いて終わりというわけではなく、異物がきっかけで外傷性白内障になったり、網膜剥離を起こしたりすることが少なくありませんのでそちらの治療も同時に行われます。
手術には入院施設のある眼科の受診が必要です。しかし手術の必要性の判断や、適切な病院を紹介してもらうことも含めて、まずはお近くの眼科や救急科をすぐに受診されることをお勧めします。