じゅうかくしゅよう
縦隔腫瘍
縦隔内の臓器(心臓、大血管、気管、食道、胸腺、リンパ節、神経)に発生する腫瘍の総称
6人の医師がチェック 92回の改訂 最終更新: 2017.12.06

縦隔腫瘍の基礎知識

POINT 縦隔腫瘍とは

左右の肺の間に縦隔という部位があります。縦隔のうちには心臓・大動脈・胸腺・リンパ節・食道・気管・神経などが含まれていますが、そのいずれかに腫瘍が生じたものが縦隔腫瘍になります。縦隔腫瘍に多いのが、胸腺腫・神経原性腫瘍・奇形腫になります。主な症状は咳・息苦しさ・胸痛・飲み込みにくさ・声がれなどになります。 診断には画像検査(CT検査やMRI検査など)や血液検査を用いますが、病変の組織を採取して顕微鏡で見ることで診断が確定します。治療は原則として手術で切除することになりますが、腫瘍のタイプによっては化学療法や放射線療法を行います。縦隔腫瘍が心配な人や治療したい人は、呼吸器外科を受診して下さい。

縦隔腫瘍について

  • 縦隔(左右の肺の間)の臓器にできる腫瘍の総称
    • 縦隔にある臓器
      • 心臓
      • 大動脈、上大静脈、下大静脈
      • 甲状腺
      • 気管、気管支
      • 食道
      • 胸腺
      • リンパ節
      • 神経節
  • 腫瘍ができる場所による分類とそれに多い腫瘍
  • 胸腺腫、神経原性腫瘍、奇形腫でおよそ2/3を占める
    • 診断や治療法の詳細はそれぞれの疾患ページを参照

縦隔腫瘍の症状

  • 初期には無症状のことが多い
  • 場合によっては以下のような症状が起こる
    • 咳、息苦しさ:腫瘍が気道を圧迫
    • 飲み込みにくさ、胸のつかえ感:腫瘍が食道を圧迫
    • 胸の痛み:胸壁に浸潤
    • 神経の障害:かすれ声(反回神経麻痺)、まぶたが上がりづらい(ホルネル症候群)

縦隔腫瘍の検査・診断

  • 画像検査
    • 胸部レントゲンX線)検査
    • 胸部CT検査
    • 胸部MRI検査
  • 血液検査
    • 腫瘍マーカーホルモンなどを確認
  • CTガイド下生検:放射線を使いながら、身体の外から細い針を刺して病変の組織を採ってくる
    • 採取した組織に対して顕微鏡検査を行う
    • 特殊な染色を用いて組織を見やすくする
    • 手術で腫瘍が全て取りきれそうならば、CTガイド下生検を施行せずに、いきなり手術することも多い

縦隔腫瘍の治療法

  • 原則として手術し腫瘍を切除する
  • 放射線療法
  • 化学療法抗がん剤

縦隔腫瘍が含まれる病気

縦隔腫瘍のタグ

縦隔腫瘍に関わるからだの部位