がいしょうせいけいぶしょうこうぐん(むちうち)
外傷性頚部症候群(むち打ち)
交通事故などで、首に過度な外力が加わり、骨や神経が痛んだ状態。いわゆる、むちうちのこと
8人の医師がチェック 111回の改訂 最終更新: 2022.03.17

Beta 外傷性頚部症候群(むち打ち)のQ&A

    外傷性頸部症候群(むち打ち)の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    外傷性頸部症候群(むち打ち)は、交通事故などの外的な衝撃により、首に過大な負荷がかかるために生じる筋肉の断裂や靭帯の損傷をさします。一般的には、「むち打ち」と言われます。

    外傷性頸部症候群(むち打ち)は、どのくらいの頻度で起こる病気ですか?

    交通事故によるケガの後遺症として知られており、年間300人/10万人に及ぶとも言われています。

    外傷性頸部症候群(むち打ち)は、どんな症状で発症するのですか?

    首の痛み、肩こり、頭痛、めまい、手の痺れ・脱力などの症状が見られます。外傷後すぐに症状があらわれることもありますが、12-15時間後に症状がみられることがあることも知られています。

    症状は首のみにとどまらず、背中にかけての痛みやこり、めまい、顎関節症、眼のかすみや耳鳴り、吐き気、顔面の紅潮、動機、全身の倦怠感などが生じることもあります。

    外傷性頸部症候群(むち打ち)の、その他の症状について教えて下さい。

    上記のような症状が生じることで、精神的負担を感じる人も少なくありません。また、事故により外傷後ストレス障害(PTSD)を発症する人もいます。

    外傷性頸部症候群(むち打ち)と診断が紛らわしい病気はありますか?

    頸椎症などによる骨棘があると、椎間板ヘルニアと間違えられることがあります。椎間板ヘルニアは、MRIによる画像診断や手足の痺れ、腱の反射亢進などで診断されます。

    外傷性頸部症候群(むち打ち)は、どのように診断するのですか?

     外傷性頸部症候群(むち打ち)を客観的に評価する方法はありません。事故時の状況を問診(質問)することや痛みなどの症状によって判断されます。

     他の部分に異常がないことを確認するために、レントゲン(単純X線検査)や頭部CT、MRIなどを用いた検査が行われることがあります。

    外傷性頸部症候群(むち打ち)の治療法について教えて下さい。

    骨折や脱臼がみられなければ、首を普通通りに動かしても良いとされています。また、関節が動く範囲を拡大させるための運動を行うことも望ましいとされています。 強い痛みが生じる場合には、首を固定するためのカラーと呼ばれる装具を用いることもあります。

    外傷性頸部症候群(むち打ち)の治療薬について教えて下さい。

    痛みがある場合には、消炎鎮痛薬(NSAIDs、アセトアミノフェンなど)や、必要に応じて抗けいれん薬、筋弛緩薬を服用します。

    外傷性頸部症候群(むち打ち)では、どのようなリハビリテーションが行われますか?

    痛みによって長期間の安静が必要となった場合には、筋力トレーニングにより全身の筋力・耐久性の向上を目的としたリハビリテーションが行われます。

    外傷性頸部症候群(むち打ち)は、完治する病気ですか?あるいは、治っても後遺症の残る病気ですか?

    数日間で症状が改善する場合もありますが、慢性的な頭痛や肩こりが長期間にわたり残ってしまうこともあります。