しきゅうふっこふぜん
子宮復古不全
産褥期(お産のあとの回復期)にさまざまな原因で子宮の収縮が不良になってしまうこと。細菌感染や不必要な出血の原因となる
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最終更新: 2018.07.30
子宮復古不全の基礎知識
POINT 子宮復古不全とは
子宮復古とは出産後に空っぽになった子宮が元の大きさにもどることを指します。この子宮復古が上手くいかないことを子宮復古不全といいます。悪露(子宮からの分泌物)の量が多くなったり発熱などの症状が見られます。原因は、子宮の中に胎盤や卵膜などが残っていることや、子宮の筋肉が過剰に伸びてしまったことなどさまざまです。診察や経腟超音波検査で子宮の大きさや中身を調べて原因を探します。治療には子宮の内容物を取り除くことや、母乳による授乳を促すこと、子宮を冷やしたりマッサージしたりすること、子宮収縮薬の使用などがあります。退院後、悪露の量が多かったり、血性(色が赤く鮮やか)の状態が2週間以上続く場合には、子宮復古不全の可能性があります。分娩を行った産婦人科で相談してみてください。
子宮復古不全について
子宮復古不全の症状
- 血性悪露(赤い色調の悪露)が産後2週間以上過ぎても続く
- 子宮の収縮不良:通常よりも子宮が大きく、軟らかい状態が続く
子宮復古不全の検査・診断
- 診察:触診して子宮底の高さや子宮の硬さを調べる
超音波検査 :子宮の大きさを調べたり、子宮内に悪露や胎盤・卵膜などが残っていないか調べる内診 :悪露の性状を調べる。子宮内の感染が疑われる場合には、悪露の細菌 培養検査 を行うこともある
子宮復古不全の治療法
- 主な治療
- 早期離床
- 母乳授乳を促す(オキシトシンという
ホルモン が分泌され、子宮が収縮する) - 子宮を冷やす、マッサージ
- 排便・排尿を促す
- 子宮収縮薬:出血を抑える
- 子宮内容除去術
- 麻酔をして子宮内に残った遺残物を取り除く
抗菌薬 - セフェム系抗菌薬など
- 予防
- 排尿や排便を我慢しない
- なるべく産後の早いうちから直接授乳を始める