こうもんがん
肛門がん
肛門周辺にできたがんの総称。ヒトパピローマウイルスへの感染が原因の一つと考えられている。
4人の医師がチェック 104回の改訂 最終更新: 2026.02.02

肛門がんの基礎知識

POINT 肛門がんとは

肛門周囲にできたがんの総称です。ヒトパピローマウイルス感染が主な原因と考えられています。主な症状は出血・痛み・かゆみ・しこりなどになります。 症状や身体診察に加えて、超音波検査やCT検査を行って診断します。治療法には手術・化学療法(抗がん剤治療)・放射線治療がありますので、病状や身体の状態を鑑みて適切な治療を行います。肛門がんが心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。

肛門がんについて

  • 肛門がんはおしりの出口である肛門周辺の組織にできるがんの総称
  • 主な原因
    • ヒトパピローマウイルスHPV)に感染(性感染)
    • 痔瘻(腸と皮膚をつなぐ孔(トンネル))ができることがある
  • 日本では女性に多い
  • 腺がんというタイプが多く、残りの20%程度は扁平上皮がんというタイプ(欧米ではほとんどが扁平上皮がん)
  • ヒトパピローマウイルスに対するワクチンによって肛門がんの予防が期待できる
    • 子宮頸がんワクチンとして有名なガーダシル®は肛門がんにおいても予防効果が認められ2020年12月から適応承認されている

肛門がんの症状

  • 肛門に起こる症状
    • 出血
    • 痛みや圧迫感
    • かゆみ
    • しこり
    • 便の変化
      • 便が出づらい
      • 便が細くなる

肛門がんの検査・診断

  • 大腸カメラ内視鏡):肛門の腫瘍の有無を調べる
  • 組織診:腫瘍の一部を切り取り、顕微鏡で調べる
  • 画像診察:全身へのがんの広がりなどを調べる
    • 超音波検査
    • CT検査
  • がんの病期ステージ)を以下の3つから判定する
    • がんの広がり
    • リンパ節転移の有無、広がり
    • 他の臓器への転移遠隔転移)の有無

肛門がんの治療法

  • 治療は切除が可能であれば、手術が行われる(直腸切断術が主)
    • 手術後は人工肛門が必要になることが多い
    • 扁平上皮がんでは放射線療法抗がん剤治療(化学療法)を組み合わせた化学放射線療法が外科治療と同等の治療成績であり、標準治療である
  • 手術ができないステージIVや再発の場合には、がんの進行を抑えるための抗がん剤治療を行う
    • 一次治療はカルボプラチンとパクリタキセルの併用
    • 2025年12月に免疫チェックポイント阻害薬であるジニイズ(レチファンリマブ)を併用する治療法が保険適用となった
  • 5年生存率は約45%