がんけんえん
眼瞼炎
まぶたに炎症が起きた状態の総称。感染が原因の場合と、アレルギーや外傷が原因の場合がある
4人の医師がチェック 70回の改訂 最終更新: 2018.10.22

眼瞼炎の基礎知識

POINT 眼瞼炎とは

眼瞼(がんけん)はまぶたのことです。 眼瞼炎は感染症やアレルギー、怪我などさまざまな原因で起こります。感染症は主にブドウ球菌という細菌がまつげの根元や、汗腺、脂腺に感染を起こすことによります。眼瞼が起こると、まぶたの周りが腫れたり、皮膚がただれたりとさまざまな症状が現れます。細菌感染が疑われる場合は、細菌検査を行い、感染を起こしている菌の種類を調べます。原因に合わせて治療を行います。例えば、細菌感染が原因の場合は洗浄や抗菌薬治療が行われ、アレルギーが原因の場合はステロイド薬などが用いられます。まぶたの腫れや痛みを自覚する場合は眼瞼炎が起こっている可能性があります。眼科を受診してください。

眼瞼炎について

  • 感染、アレルギー、外傷などにより、まぶた炎症が起きた状態の総称
  • 感染が原因の場合
    • 主にブドウ球菌と呼ばれる細菌が、まつげの根元、脂腺、汗腺に感染する
  • アレルギーが原因の場合
    • 化粧品や化学物質によるアレルギーにより、炎症が起き、まぶたの腫れを引き起こす

眼瞼炎の症状

  • 主な症状
    • まぶた周りの腫れ
    • まぶたの皮膚のただれ
    • まぶたの紅斑(赤みが出る)
  • まつげまで炎症が及んだ場合
    • まつげがバラバラに生えてくる
    • 逆さまつげになる
    • まぶたが変形する
    • まつげがなくなる

眼瞼炎の検査・診断

  • 細菌検査まぶたから滲んでくる液を採取し培養することで、原因の細菌の種類を調べる
  • パッチテスト:まぶたの皮膚にアレルギーとなる物質を微量塗り、変化を調べる

眼瞼炎の治療法

  • 感染が原因の場合
    • 洗浄
    • 原因菌に対して適した抗菌薬
  • アレルギーが原因の場合
    • 薬物療法:ステロイド薬の軟膏や抗ヒスタミン薬の内服
  • 一度患部を拭いたタオルを洗わないまま使うと感染が再発する可能性があるため、患部を触る際は使い捨てのティッシュを使うとよい

眼瞼炎に関連する治療薬

非ステロイド性抗炎症薬(点眼薬)

  • 体内物質プロスタグランジンの生成を抑え、炎症や痛みを抑えて結膜炎など改善したりや眼手術時などに使用する薬
    • 体内で炎症や痛みなどを引き起こす物質にプロスタグランジン(PG)がある
    • PGはシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素などにより生成される
    • 本剤はCOXを阻害しPG生成を抑えることで、抗炎症作用をあらわす
  • 症状や手術の前後(術後経過)などによって、1日の使用回数が異なってくる場合があるので医師の指示の下で適切に使用する
非ステロイド性抗炎症薬(点眼薬)についてもっと詳しく

副腎皮質ホルモン(眼科用外用薬)

  • 抗炎症作用や抗アレルギー作用によって眼瞼炎、結膜炎、角膜炎などの炎症性疾患や手術後の眼の炎症などを抑える薬
    • 眼の炎症性疾患はアレルギーや外傷など何らかの原因によって炎症が起こっている状態
    • 副腎皮質ホルモン(ステロイド)は抗炎症作用や免疫反応を抑える抗アレルギー作用などをあらわす
    • 本剤は副腎皮質ホルモンを元にして造られた薬剤成分を配合した点眼用製剤
  • 製剤によっては点眼用以外の用途(点耳用や点鼻用)でも使用するものもある
副腎皮質ホルモン(眼科用外用薬)についてもっと詳しく

抗菌薬(点眼薬)

  • 細菌増殖を阻害し、抗菌作用をあらわすことで結膜炎などを治療したり、眼の手術前後の細菌感染を予防する薬
    • 細菌の増殖にはDNA複製やタンパク質の合成などが必要である
    • 眼が細菌に感染することで細菌性結膜炎や麦粒腫(ものもらい)などが発症する場合がある
    • 本剤はDNA複製阻害作用など、それぞれの薬剤成分が有する抗菌作用により細菌の増殖を抑える効果をあらわす
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