しょうせきのうほうしょう
掌蹠膿疱症
手のひらや足の裏に膿疱(うみをもった皮膚の発疹)や湿疹が生じる病気
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最終更新: 2023.09.28
掌蹠膿疱症の基礎知識
POINT 掌蹠膿疱症とは
手のひらや足の裏に膿疱(うみを含んだ発疹)や、がさがさした湿疹が繰り返してできる病気です。扁桃腺炎などの慢性的な感染症が原因となることがありますし、金属アレルギーや喫煙なども原因になります。診断のために特別な検査は必要ではありません。特徴的な症状を繰り返す経過から診断が可能です。病理検査(皮膚の一部を取り出して顕微鏡でみる検査)によって、他の病気(足白癬や汗疱など)と区別が行われます。塗り薬や内服薬によって治療され、症状が重いときには紫外線照射が検討されます。掌蹠膿疱症が心配な人は皮膚科を受診してください。
掌蹠膿疱症について
掌蹠膿疱症の症状
- 手のひらや足の裏(特につちふまずの部分)に
膿 疱や、がさがさした湿疹ができる- 赤みを伴い痒みを感じることもある
- 赤み同士がくっつき、皮がむけて、その中に膿疱やかさぶたが見える
- 首や鎖骨、腰を中心に痛みが出ることがある
- 掌蹠膿疱症の10%程度の人に関節や骨に
炎症 が起こる
- 掌蹠膿疱症の10%程度の人に関節や骨に
掌蹠膿疱症の検査・診断
掌蹠膿疱症の治療法
- 外用治療:塗り薬などである程度コントロールできるが
症状 は慢性的 に繰り返しやすいステロイド の塗り薬ビタミンD 3の塗り薬
- 内服治療
ビタミン 剤(エトレチナートなど)- シクロスポリンなどの
免疫 抑制剤
- 注射治療(生物学的製剤)
- スキリージ®(リサンキズマブ)
- トレムフィア®(グセルクマブ)
- ルミセフ®(ブロダルマブ)
- その他の治療
- 紫外線照射も有効
- 喫煙者に多いことが知られており、喫煙者で
発症 した場合は禁煙が勧められる - 扁桃炎や歯槽
膿 漏などの病巣感染や金属アレルギー (歯科金属など)などは原因の一つであり、歯科、耳鼻科でそれらの病気がないかを確認する
掌蹠膿疱症に関連する治療薬
活性型ビタミンD3製剤(外用塗布薬)
- 乾癬の症状が出ている皮膚の細胞増殖を抑え、皮膚の赤みや盛りあがり、かさぶたが剥がれ落ちるなどの症状を和らげる薬
- 乾癬では免疫異常などにより、皮膚の赤みや角質層が厚くなるなどの皮膚症状があらわれる
- 乾癬の皮膚症状は表皮の過剰増殖や体内の炎症物質などによっておこるとされる
- 本剤は活性型のビタミンD3製剤であり、皮膚の過剰な細胞増殖や炎症などを抑える作用をあらわす
- 乾癬の他、魚鱗癬や掌蹠膿疱症などに使用する製剤もある
エトレチナート製剤
- ビタミンAと類似した化学構造をもち、皮膚や粘膜を正常に保つ作用などにより皮膚角化異常症などを改善する薬
- 乾癬や魚鱗癬などの皮膚角化異常症は免疫異常などによっておこるとされている
- ビタミンAによる皮膚や粘膜を正常に保つ作用により乾癬などの皮膚角化異常症における改善効果が確認されている
- 本剤はビタミンAと類似した化学構造を持つレチノイドいう物質の一つで皮膚角化異常症などへの改善作用をあらわす