がいはいようけいせいいじょう(がいはいよういけいせいしょう)
外胚葉形成異常(外胚葉異形成症)
胎児の形になる前の組織の中でも外胚葉(がいはいよう)と呼ばれる部位に起きた異常。外胚葉は将来的に皮膚、毛、爪、汗腺、歯などになる
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最終更新: 2019.02.19
外胚葉形成異常(外胚葉異形成症)の基礎知識
POINT 外胚葉形成異常(外胚葉異形成症)とは
胎児は内胚葉・中胚葉・外胚葉という3つの組織から形作られます。そのうち外胚葉に起こる異常を外胚葉異常と言います。外胚葉はその後、皮膚や毛、汗腺、歯などに変化し、成長とともに皮膚や毛、爪、歯に異常が現れます。皮膚では「炎症や感染が起こりやすい」「色素遅着(赤色や褐色)」、毛では「頭髪や体毛が薄くなる」「毛の色が薄くなる」、爪では「爪が分厚くなる」「ゆがみ」「にごり」などが具体的な症状です。現れた症状に応じて治療が行われます。主に皮膚科や小児科、歯科などで治療が行われます。
外胚葉形成異常(外胚葉異形成症)について
外胚葉形成異常(外胚葉異形成症)の症状
- 症状の現れ方
- 成長とともに皮膚、毛、爪、汗腺、歯に症状が現れる
- 皮膚の症状
- 炎症や感染を起こしやすくなる
- 赤色や褐色の色素沈着が見られる
- 毛の症状
- 頭髪や体毛が薄くまばらになる
- 毛がもろくなる
- 巻き毛やよじれ毛になる
- 色が薄くなる
- 爪の症状
- 分厚くもろくなる
- 伸びが遅くなる
- 形がゆがむ
- 色がにごる
- 歯の症状
- 一部が生えてこない
- エナメル質の減少
- 目の症状
- 乾燥
- 白内障
- 視力障害
- 耳の症状
- 聴覚障害
- 口、鼻からの分泌物の減少
- その他にみられる症状
- 手のひらや足の裏に角層肥厚が生じる場合
- 亀裂による出血
- 痛み
- 汗腺の形成不全を合併する場合
- 汗の産生の減少
- それに伴い体温調節が困難になる
- 手のひらや足の裏に角層肥厚が生じる場合
- 一部の感染症にかかりやすくなる
- 抗酸菌
- ヘルペス属ウイルス
外胚葉形成異常(外胚葉異形成症)の検査・診断
- 小児科あるいは皮膚科専門医の診察により、診断される
外胚葉形成異常(外胚葉異形成症)の治療法
- 治療は、症状のある部位により様々
- 歯の場合は歯科矯正や入れ歯、インプラントなど
- 脱毛の場合はかつらを使用する
- 眼のケアが必要になる場合もある
- 汗腺形成不全の場合は体温調節が困難なため、夏の生活環境の温度調節が重要
- 感染予防のためにガンマグロブリンを投与したりST合剤と呼ばれる抗菌薬を投与する
- 感染に弱い時は、BCGなどの予防接種で感染してしまうことがあるので、予防接種の可否を慎重に判断する必要がある
- 炎症性腸疾患を合併したいた場合は、それに準じた治療を行う
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