がいいんぶぱじぇっとびょう
外陰部パジェット病
皮膚がんの一種のパジェット病が外陰部にできたもの
11人の医師がチェック 146回の改訂 最終更新: 2022.04.13

外陰部パジェット病の基礎知識

POINT 外陰部パジェット病とは

皮膚がんの一種であるパジェット病が外陰部にできたものです。パジェット病は乳房にできることが多く、乳房以外にできたパジェット病を乳房外パジェット病といいます。外陰部パジェットはそのうちの一つにあたります。外陰部パジェットができるとかゆみやヒリヒリとした感じ、痛み、不快感が現れます。見た目だけでは湿疹やカンジダと見分けがつかないため、病理検査(病気が疑われる場所の皮膚を一部切り取って、顕微鏡でみる検査)で診断が行われます。外陰部パジェット病の治療は手術によって病気の部分を切り取ることです。転移がある場合には抗がん剤治療を行います。外陰部パジェット病が心配な症状がある場合は、皮膚科を受診してください。

外陰部パジェット病について

  • 主に外陰部やわきの腺細胞(主に汗を作る細胞)ががん化してできた皮膚がんの一種
  • パジェット病には大きく2種類ある
    • 乳頭や乳輪に生じる乳房パジェット病
    • 外陰や脇の下などに生じる乳房外パジェット病とがある
      • 外陰部パジェット病はここに属する
  • 日本では60歳以上の男性に多い(女性の2-3倍の発生率)
  • 皮膚がんの10%程度

外陰部パジェット病の症状

  • 主な症状
    • かゆみ
    • ひりひり感
    • 痛み
    • 不快感
    • 変色(赤い斑点、薄茶色、色が抜けて白くなる等)

外陰部パジェット病の検査・診断

  • 組織診病変のある部位の皮膚を一部切り取って、顕微鏡を用いてパジェット病であるか調べる
  • 初期のころは湿疹カンジダ症と症状から区別することが難しいため、湿疹やカンジダ症で治療をしてもよくならない場合は必要に応じて組織診で調べる

外陰部パジェット病の治療法

  • 基本的な治療方針
    • 手術によって病変を完全に切除する
    • 手術ができない状況の場合に化学療法などを行う
  • 主な治療
    • 手術 
      • 皮膚病変の切除
      • 切り取り残しをしないように、正常に見える皮膚も含めて病変を周囲の皮膚ごと切り取る
      • 外陰部の周囲にある鼠径部のリンパ節がん細胞が潜んでいる可能性があるので全てとってしまう
    • 化学療法
      • リンパ節への転移が広範囲に及んだり、臓器に転移がある場合に行う
    • 外用薬治療
      • 手術で取りきることが難しい場合、患者の年齢なども考えてベセルナクリームなど外用薬で広がりをおさえていく治療法もある
  • がんの広がりが見られない場合は、その後の経過は良好であることが多い
    • 再発することはあるので、しばらく様子を見ていく必要がある
  • 他の臓器に広がったがんが併存する場合、しばしばリンパ節転移遠隔転移がみられ、経過は不良とされる

外陰部パジェット病が含まれる病気

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