Beta 過活動膀胱のQ&A
気:目に見えず、身体の血や水を循環させる「気」そのもの。気力・精神状態などと考えることもできます。
血:一般的に言う血液、身体に栄養などを巡らせるもの。
水(津液):血液以外の体液(リンパ液など)、ホルモンや免疫物質もこちらに入ります。
水毒: 体液(水)が体内に滞っている状態(水分の代謝異常)
瘀血:血液の循環が滞ること
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん):四肢が冷えやすく尿量減少または多尿で時に口渇がある症状に使われます。
清心蓮子飲(せいしんれんしいん):全身倦怠感があり、口や舌が乾き、尿が出しぶる症状に使われます。
猪苓湯(ちょれいとう):尿量減少、小便難、口渇などの症状に使われます。
八味地黄丸(はちみじおうがん)(八味丸:はちみがん):疲労や倦怠感が著しく、尿利減少または頻尿、口渇や手足に交互的に冷感と熱感を感じる症状に使われます。
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう):比較的体力があり、下腹部筋肉が緊張する傾向がある症状に使われます。
体力の充実している方
暑がりで、のぼせが強く、赤ら顔の方
著しく体力が衰えていて、胃腸が虚弱である方
食欲不振、悪心、嘔吐のある方
甘草(かんぞう)含有・グリチルリチン酸およびその塩類を含む製剤
- 偽アルドステロン症などが現れやすい
体力の充実している方
暑がりで、のぼせが強く、赤ら顔の方
著しく体力が衰えていて、胃腸が虚弱である方
食欲不振、悪心、嘔吐のある方
著しく体力が衰えていて、胃腸が虚弱である方
食欲不振、悪心、嘔吐のある方
甘草(かんぞう)含有・グリチルリチン酸およびその塩類を含む製剤**
- 偽アルドステロン症などが現れやすい
牛車腎気丸と八味地黄丸は、両者とも構成生薬にブシを含有する漢方薬です。そのため、他に併用する製剤にブシが含有されていないか特に気をつける必要があります。
過活動膀胱の症状である「頻尿」の治療について
過活動膀胱の症状のひとつである「頻尿」の原因は、水分の摂り過ぎ、膀胱・前立腺などの病気・炎症、加齢による排尿に関係する筋肉の低下、心因性、精神疾患など様々なことが考えられます。
頻尿の治療では多岐に渡る原因を特定し、その病気や症状にあった薬または手術で治療していきます。例えば、感染症では抗菌薬、自律神経系であれば抗コリン剤などです。ただし、抗コリン剤は閉塞隅角緑内障の方や、重症筋無力症の方には症状を悪化させる可能性があるため使用することができないので注意が必要です。
東洋医学での頻尿の考え方について教えてください
漢方では体内の基本要素を、「気・血・水(津液)」として表現します。
頻尿はその中でも、身体の水の排出や循環が滞ることで引き起こされると考えられます。これらは水毒(すいどく)と呼ばれています。さらに、冷え性などで頻尿を催す方もいるため、瘀血(おけつ)も関係してると考えられています。
また、漢方では臓腑を五行理論として表現していて、「五臓六腑」が基本となっています。その中でも五臓(肝・心・脾・肺・腎)の腎(じん)と六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)の膀胱(ぼうこう)が頻尿に関係しています。
東洋医学における腎は腎臓のみの働きを指すわけではなく、排尿のほか、排泄、水分代謝、ホルモンバランス、生殖活動などを司っています。頻尿はその腎や膀胱の機能が衰えることで引き起こされるとされています。
腎の機能が衰えることを腎虚(じんきょ)といいます。
腎虚になることで、身体の水分などの循環が悪くなるため、水毒・瘀血などが引き起こされると考えることができます。
頻尿に効果が期待できる漢方薬はありますか?
腎虚(じんきょ)・水毒(すいどく)・瘀血(おけつ)を改善し頻尿を治していく漢方薬には以下のようなものがあります。
西洋薬での治療、特に抗コリン薬は持病によって薬が使えない方がいますので、漢方薬が注目されています。近年の研究では牛車腎気丸が頻尿(過活動膀胱)に有効であるとする報告があります。
【併用やその他に関する注意事項】
◎牛車腎気丸
慎重に使用しなければならない方は以下の通りです。
◎清心蓮子飲
併用に注意しなければならない薬は以下の通りです。
◎猪苓湯
特にありません。
◎八味地黄丸(八味丸)
慎重に使用しなければならない方は以下の通りです。
◎竜胆瀉肝湯
慎重に使用しなければならない方は以下の通りです。
併用に注意しなければならない薬は以下の通りです。
また、妊婦の方は牛車腎気丸と八味地黄丸にボタンピ(牛車腎気丸ではゴシツも)が含まれますので、流早産の危険性があり服用を避けるのが望ましいでしょう。ブシの副作用(心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心など)も強く現れる可能性がありますので気をつけましょう。
頻尿は、症状の一つですので、原因となる病気をしっかり把握し、適切な漢方薬を選択することが望まれます。
牛車腎気丸など、研究でも有効性が報告されているものもありますが、ブシやカンゾウ含有のため、服用に注意を必要とする漢方薬もありますので、医療機関に相談しながら薬を選択していきましょう。