きんだんれつ(にくばなれ)
筋断裂(肉離れ)
筋肉の線維が切れること。スポーツや重労働など、急激に力を入れることで、筋肉が耐えきれずに線維が断裂する
6人の医師がチェック 100回の改訂 最終更新: 2022.03.22

筋断裂(肉離れ)の基礎知識

POINT 筋断裂(肉離れ)とは

スポーツなどで強い力がかかった際に、筋肉が耐えきれずに筋線維が断裂することです。筋線維の一部が断裂する部分断裂のことを肉離れと呼ぶことが多いです。肉離れはふくらはぎに起こることが多いのですが、ハムストリング(太ももの裏側)や大腿四頭筋(太ももの表側)でもよくあります。肉離れが起こると、同部位が痛くて歩行が難しくなります。診断は問診や診察、触診などで行いますが、必要に応じて超音波(エコー)検査やMRI検査などの画像検査が行われます。治療としては安静にして、痛み止めの貼り薬・塗り薬・飲み薬などが用いられます。スポーツ競技に復帰する場合には、ストレッチする際の痛みが無くなり、ケガをしていない側と同じような感覚に戻るまでジャンプやダッシュは避けるのが良いでしょう。肉離れが心配な方や治療したい方は整形外科、空いていなければ救急科の受診を検討してください。

筋断裂(肉離れ)について

  • 筋肉の線維が切れること
    • スポーツや重労働など、急激に力を入れることで、筋肉が耐え切れずに線維が断裂する
    • 筋線維の一部が断裂する部分断裂のことを肉離れと呼ぶことが多い
  • 主な原因
    • 筋肉の疲労
    • 筋肉が固くなっている
    • 運動前のストレッチが不十分
  • 頻度
    • 瞬発力を要するスポーツをしている人に多い
      • 短距離走
      • サッカー
      • テニス
      • バスケットボール など
    • 男性に多い
  • 足に起こることが多い
  • 以下のような筋肉で起こりやすい
    • 腓腹筋(ふくらはぎ)
    • ハムストリング(太ももの裏側)
    • 大腿四頭筋(太ももの表側)
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筋断裂(肉離れ)の症状

  • 主な症状
    • 内出血:筋肉の線維が切れたところに起こる
    • 筋肉の痛み:ストレッチすると特に痛む、程度により歩行困難に
    • 重症の場合、筋肉の線維が切れたところが凹んで触れることがある
症状の詳細

筋断裂(肉離れ)の検査・診断

  • 特別な検査は必要ないことがほとんど
  • 画像検査:傷ついた筋肉の部位などを調べることがある
    • 超音波(エコー)検査
    • MRI検査
検査・診断の詳細

筋断裂(肉離れ)の治療法

  • 主な治療
    • 保存療法:氷で冷やす、テーピングなどで筋肉の負担を減らす、損傷した部位を心臓よりも高くするなど
    • ストレッチ:筋断裂が起こってから十分に時間を経過した後に、筋断裂を起こした筋肉に対しストレッチを行うことがある
      • 専門家の指導が必要
  • 激しい運動を行う場合は専門家に相談し、対処方法(テーピングの巻き方など)の指導を受けるとよい
治療法の詳細

筋断裂(肉離れ)の経過と病院探しのポイント

筋断裂(肉離れ)が心配な方

筋断裂は、筋肉の線維が切れてしまった状態です。ふくらはぎに多いですが、あらゆる筋肉に生じる可能性があります。筋肉が切れてしまった部分は、そこを触れることでへこみが分かることがあります。その状態で力を入れ続けると断裂が悪化しますので、無理をせずプレーを中断して、応急処置として患部を冷却しながら受診を検討して下さい。

スポーツ中などに急に筋肉に強い力が加わって痛みが生じた場合には筋断裂の可能性がありますので、まずはお近くの整形外科クリニックを受診されることをお勧めします。同様の症状でも、筋断裂以外に腱の損傷や靱帯の損傷などがあります。治療の前に診察によってこれらを区別することが必要です。

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筋断裂(肉離れ)でお困りの方

診断の結果が筋断裂だった場合、治療としては安静にして筋肉の線維が回復するのを待つことになります。痛みが治まってきたとしても筋肉の傷がまだ改善しきったというわけではありませんので、特にスポーツをなさる方は通院の上で相談しながらプレーへの復帰を検討していく必要があります。

大切な筋肉が文字通り完全に断裂しきってしまった場合には手術が必要となることがありますが、まれです。まずはお近くの医療機関を受診して判断を仰ぐことをお勧めします。

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